真下紀子道議の質問 2025年12月3日(水)
2025年11月28日、泊原発3号機の再稼働は、当面取りうる現実的選択だとし、鈴木知事は今定例会で最終的に判断するとの見解を示したが、これまでの総合的に判断するという見解を、どのような経緯でひるがえしたのかを質問しました。

鈴木知事の答弁
泊発電所の再稼働についてでありますが、道では、泊発電所3号機が、福島第一原発事故の教訓を踏まえた新規制基準に適合していると認められたこの夏以降、説明会の場などを通じ、道民の皆様から、賛否だけにとどまらない多様なご質問やご意見等を伺ったところでございます。
こうした中、地元4町村の議会が早期再稼働を求める意見書等を採択するとともに、4町村長が再稼働への理解を表明されたこと、更には、北電から、再稼働後の電気料金の値下げ見通しが公表されるなど、泊発電所3号機を取り巻く様々な状況が動いてきたものと認識しています。
私としては、泊発電所3号機が、福島第一原発事故の教訓を踏まえた新規制基準に適合していると認められたことや国が道とUPZ内13町村の防災計画や避難計画を一体化した、泊地域の緊急時対応を取りまとめ、原子力防災会議で了承していること、加えて、再稼働により、電気料金の引き下げが見込まれるとともに、電力需要の増加が想定される中で、安定した電力供給が確実なものとなること、さらには、脱炭素電源の確保により、今後の道内経済の成長や温室効果ガス削減に繋がることなどから、原発の活用は当面取り得る現実的な選択と考えるところであります。
私としては、こうした私の考えをお示しし、道民の代表である道議会の皆様と、今定例会において、ご議論させていただきたいと考えたところでございます。
さらに真紀子道議は、知事は、再稼働に関する知事同意の是非の判断にあたっては、十分な手続きを踏んでいると考えているのか、知事が泊原発を訪問し、立地4町村と懇談後に判断するとしていますが、16市町村の意向調査の結果は示されていない点、説明会やホームページで再稼働に不安な道民意見を受けても理解が得られたと判断するのか。
連合審査会でも安全対策費の増嵩の見通しや、北電が一定の条件下で推計した電気料金の引き下げの不確実性をどう捉えるのか、疑問や課題を整理し国と北電に説明を求めるべきではないかと、質問しています。
鈴木知事の答弁
鈴木知事からは、再稼働判断のプロセスは、原発の安全性や必要性については、エネルギー政策に責任を持つ国が丁寧に説明し、道民の皆様の理解と信頼を得ていくことが重要である。
岩宇4町村や後志管内で住民説明会を開催し、道内6圏域も説明会を開催。道民の皆様から賛否にとどまらない多様なご意見やご質問を伺った。
道民からいただいた多数の意見や質問と、それに対する回答を通じ、再稼働に関し、道民の皆様の関心が高い事項やそれに対する国や北電の考え方がより明確になったと受け止めております。
後志管内の市町村のご意見やご要望も確認し、知事自身が泊発電所を訪問し、現地で安全対策について直接確認し、地元4町村長の話しを聞き、今定例会でのご議論を踏まえ、最終的に判断すると回答しました。
【再質問】
○知事の考えと同意判断について
真下道議の再質問
知事は、道政上の最重要課題である泊原発3号機再稼働について、28日、これまでの総合的判断から最終的に判断すると答弁を訂正し、追加説明では、言い間違いではなく、読み間違えたと説明しましたが、知事は単に原稿を読んでいるだけなのですか。知事にとって原発再稼働の判断とは、それ程軽い認識なのか、見解を伺います。
鈴木知事の答弁
泊発電所の再稼働についてでありますが、泊発電所に関しては、道では、これまでも、道民の代表である道議会の皆様との質疑を通じ、その時々の状況に応じた考えをお伝えしてきたところであり、私としては、泊発電所3号機の再稼働の判断は、道政上の重要な課題であることから、道議会の皆様と今定例会においてご議論させていただきたく、最初に私の考えをお示ししたいと考えたところでございます。
こうした考えのもと、11月28日の一般質問では、答弁をさせていただいたものです。
○放射性物質流出の影響について
真下紀子道議
泊原発で放射性物質漏えい事故が発生した場合、本道農業や観光等への被害は計り知れません。ところが、国も道も影響を試算していません。新基準に適合し、多重多様な防護対策で、事故は防止でき、影響はないとお考えなか。
経済部長
原子力災害による経済的な影響についてでございますが、道では、原発については、安全性の確保を大前提に、安全性や必要性について、エネルギー政策に責任を持つ国が丁寧に説明し、道民の皆様の理解と信頼を得ていくことが重要であると考えております。
原子力規制委員会においては、福島第一原発事故の教訓や国際機関の安全基準を含む海外の規制動向などを踏まえ、地震や津波など、自然現象の想定を大幅に引き上げて防護対策を強化するとともに、万一重大事故が発生した場合に備え、その進展を食い止める対策を事業者に求めるといった最新の技術的知見を反映した新規制基準を定めており、泊発電所3号機については、規制委員会において、基準に適合していると判断され、本年7月に設置変更許可がなされたところでございます。
なお、万が一事故が発生した場合においては、国が関係法令に基づき、責任を持って対処することとしており、また、原子力事業者は、原子力損害の賠償に関する法律において、事故の過失・無過失にかかわらず、無制限の賠償責任を負うこととされております。
○釧路市 違法なメガソーラー開発 違法な開発行為について
真下紀子道議
釧路市で、違法なメガソーラー開発行為を行っている事業者に対し、道が27 回もの行政指導を行ってもいまだ是正されず、釧路市が求めた追加の環境調査を拒否するなど、順法意識も自然環境を守る姿勢もあるとは言えません。土対法や森林法に基づく度重なる行政指導を行ってもなお改善されない場合、事業の中止を含め、厳しい対応をとる必要があると考えますが、どう対応するのか、お聞きします。
鈴木知事の答弁
太陽光発電事業計画でありますが、釧路市北斗の計画では、森林を開発する際に必要な許可を得ずに開発行為が行われたほか、土壌汚染対策法の届出遅延に加え、再三の指導にもかかわらず、土壌調査の履行に至っていないなど極めて遺憾と言わざるを得ない事案が発生しました。こうした事案の発生を踏まえ、道では太陽光発電事業に関して、関係法令の遵守、法令違反への厳正な対処、地域との共生が大前提といった私の考えをメッセージとして発信し、遵守を求めるとともに、法令違反が発覚し、中止勧告に従わない場合は、中止命令の発出といった厳しい措置をとっていく考えのもと、悪質性が高いと判断される事案については、行政指導を経ずに監督処分を実施できるよう、関係法令の運用を見直し、違反には厳正に対処することとしたほか、先日、環境大臣と面談し、早期に実効性ある国の規制強化などを強く求めたところであります。
道としては、今後、法令違反には厳正に対処していく考えであり、自然環境の保全など地域との共生が大前提であることを発信しながら、規律強化の取組の遵守を強く求めてまいります。