後志管内16市町村への意見照会・道民意見を聞き流し、知事独断で決定
鈴木直道知事は、「泊原発3号機が新規制基準に適合」「国がまとめた緊急時対応を原子力防災会議が了承」「地元4町村が同意」「北電が再稼働後の電気料金引き下げの見込みを示した」などを理由に、11月28日、「原発の活用は現実的」「今定例会で最終的に判断する」考えを示しました。その後、12月10日の予算特別委員会で「再稼働に同意する」と自民会派議員の質問に答えました。
鈴木知事は立地4町村の意向を重く受け止める一方、道民理解が必要と発言していました。ところが「総合的判断」のために行った後志管内16市町村への意見照会を、いつの間にか「今定例会での最終的判断」の根拠としただけでなく、同意判断表明の直前まで意見内容を道議会に報告しませんでした。真下紀子議員は「泊原発近隣町村から寄せられた要望に応えず、公募した道民意見にも回答しない。道民理解を得るどころか、『意見は聞くだけで聞き流し』」だと知事の姿勢を批判しました。
予算特別委員会で丸山はるみ議員は「道主催が主催した6圏域説明会の議事録が開示されたのは、知事が同意を表明した当日の午前1時」、泊村での記者会見も一方的に打ち切ったと追求。道民に周知されるどころか検討の時間もないという民主主義否定の手法です。札幌市が行う論点整理について、報告を受けた知事は会議もしないで自分で決めたと答弁。
道民から付託された道議会の議論を軽視し、短期間に数の力で強引に進める知事に対し批判の声が上がり、最終日は決議案をめぐって紛糾したため深夜議会となりました。
12日最終日、共産・民主が「再稼働同意の撤回と慎重審議を求める」一号決議案を共同提案。「審議時間の確保」を求める結志会提案の二号決議案に自民会派が質疑。共産党道議団はいずれにも道理があると両決議案に賛成しましたが、賛成少数で否決されました。
共産:両方賛成
自公:両方反対
民主:一号賛成
二号退席
結志:一号退席
二号賛成
維新:両方退席

知事や国会議員、道議会議員は無料で招待 法抵触の可能性
北海道観光機構が主催する新年交礼会には飲み物や軽食が提供されますが、知事や国会議員、道議会議員は無料で招待となっています。同じ参加でも、一般の職員は会費3,000円を支払っていることが共産党道議団の調査でわかりました。政治資金規正法は企業や団体が政党や政治資金管理団体以外への政治活動に関する寄付を行うことを禁止しています。
北海道選挙管理委員会の大崎誠子委員長は、12月3日の真下紀子議員の一般質問に、飲食提供は政治家個人への寄付にあたる可能性を指摘しました。大崎誠子委員長が「場合によっては政治資金規正法の趣旨に触れる可能性はある」と見解を示しました。
観光機構は道と連携して、道税約16億円の負担金事業を行う団体です。政策決定権のある知事や議員に会費を求めずに飲食を提供することは見直すべきです。
鈴木知事は来年の参加のあり方を検討すると答えましたが、政治とカネの問題に厳しい目が注がれる中、これまでの慣習にとらわれず、見直すべきは見直す必要があります。
鈴木知事の迅速な判断
12月3日の一般質問で真下議員は、泊原発再稼働に関する連合審査会質疑を報告しました。
2025年11月20日・21日の連合審査会質疑で真下議員は、重大事故によってUPZ圏を超える被ばくリスクがあること、北電の電気料金値下げ幅を大きく見せるトリックがあることなどを明らかにしました。しかし、知事はこれらの議論を踏まえようとしませんでした。
後志16市町村の意見照会内容も、それに対する道の回答も明らかにしていませんでした。
6圏域で行った説明会議事録は公開されず、住民説明会での不安の声や事故対策の見通しも示していません。道民の意向を把握したとは到底言えないと厳しく批判しました。
12月3日真下議員は一般質問で、電気料金引き下げの根拠の不確実さを、数年後に購入しなければならないウラン燃料費用、新荷上場と専用道の建設費は含まれていない、これらの条件が変われば値下げ幅も変わるなど、具体的にあげて見込み通りに料金が下がらない可能性の根拠を示しました。家庭用11%、事業用6%の値下げが実現できるかのように道民に期待させているます。
特別発言で真下議員は、「福島第一原発事故前に、日本共産党の吉井英勝衆議院議員が国会で電源喪失による炉心溶融がありうるとして対策を求めたのに、自民政権と東電がこれを拒否しており、そのための人災事故だということは明らかだ」とのべ、これらの警告を聞かない姿勢に警鐘を鳴らしました。
12月10日、道民が道庁前に集まり反対の意思を示しています。道議会予算特別委員会で鞠山はるみ議員が質問し、鈴木知事が12月8日に起きた巨大地震警戒中にもかかわらず、説明責任を果たさないまま再稼働同意を表明しており、また知事の原稿の読み間違いに始まった3号機再稼働問題。北海道の将来を読み間違え、禍根を残す判断をしてしまったともいえます。
日本共産党道議団は、危険な泊原発3号機を再稼働させることはあり得ないと主張し、同意の撤回を求めました。
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