2017年2月7日(火)
真下紀子道議は、水産林務委員会で質問
北海道では林業労働者数は増加傾向にあるものの、60歳以上の労働者は依然として多く、新規参入者の約2割が1年以内に離職しています。今後、担い手をV字回復できるのかどうかがかかったと言える第5期「北海道における林業労働力の確保の促進に関する基本計画」策定に向けて、2月7日(火)の水産林務委員会で真下議員が質疑しました。
省力化・就労環境改善へ
下草刈りや植林などの造林や、種苗生産の作業は、地形や天候などの影響を受けやすいことに加え、多くの人手を必要とし、省力化が進んでいないなどの厳しい就労環境にあります。植林作業の省力が期待されるコンテナ苗の実用化の検討や、今年度から上川や十勝など全道5地域で下草刈りなどの軽労化に向けた機械を導入、異業種との連携による通年雇用化の促進など、教育関係機関や林業事業体などが参画する地域協議会の取組に支援し、就労環境の改善にとりくむと答弁しました。
長期研修による支援を
国の研修事業と合わせ、03年度に道が創設した「緑の雇用」現場技能者育成推進事業によるフォレストワーカー、フォレストリーダーの育成、「森林整備担い手対策基金」を活用した高性能林業機械の操作やメンテナンス、路網整備などの短期の研修を国の事業と組み合わせて実施し、技術者の育成を計画的に進めると答えました。
農業高校生などの就業対策を
道内の農業高校のうち3校に森林科学科があります。道教委の調査では、林業関連への就業は3割に止まっていますが、基本計画案には直接的な内容が盛り込まれていません。
度は、授業の一環として道有林における枝打ちなどの体験学習や伐採作業、木材の加工工程の見学会の実施、「林業・木材産業業界セミナー」などの就業相談会やインターンシップの実施に向けた説明会の開催ななど、地域協議会への支援を強化・充実させていくと答えました。
新規の確保対策
道は、若年者はじめ新規就業者の獲得のため、今年度から地域協議会が行うイベントでの高校生の林業体験紹介DVDの活用、フェイスブックでの情報発信、インターンシップの実施、相談会を支援。基本計画に基づき、基金を活用して通年雇用化に向けた奨励金の活用や、デザイン性に優れた安全服の購入、屋外用の簡易トイレの整備などに取り組む林業事業体に支援するなど、就労環境の改善にとりくむと答弁しました。
小野寺水産林務部長は、林業の成長産業化への期待の高まりなどを踏まえた取り組みが重要とのべ、新規就業者の活躍事例や、経営力の向上に取り組む事業体の紹介とCLTや木質バイオマスなど付加価値を高めた木材利用など、発信力を強化し、林業の今日的経営や展望を前面に出して林業労働者の確保・育成にとりくむと答えました。
2015年度の林業労働実態調査
林業労働者数 | 造林 | 種苗 | |
2015年度
(2005年度比) |
4,254人
(△469人) |
1,735人
(▼137人) |
355人
(▼144人) |