新型コロナ感染者クラスター発生の旭川市、西川市長へ緊急要望
子どもたちに明るい未来を
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令和2年第4回北海道議会定例会少子・高齢社会対策特別委員会
保健福祉部所管
開催状況 開催年月日 2020年(令和2年)11月24日(火)
質問者 日本共産党真下紀子道議
答弁者 少子高齢化対策監 高齢者支援局長、施設運営指導課長、高齢者保健福祉課長
真下道議質問 介護利用と認知症等への感染症の影響と対策に ついて 日本認知症学会が、緊急事態宣言発令後にあたる 5月25日から約2週間の期限で、COVID19 の流行が認知症の医療や介護に与えた影響について 認知症学会の専門医を対象にアンケートを行って、 8月に結果を公表しています。全国調査ではありま すけれども道内からの報告もあるということです。 本人や家族を対象としたサロン、認知症カフェなど の集まりに強い影響が出ているとこの報告では認め られておりました。利用控えによる介護事業所の経 営への影響も懸念されるわけですが、今日は、介護 利用と認知症等への感染症の影響と対策について以 下伺ってまいります。
(一)介護の利用控え等の実態と影響について 新型感染症の影響で、高齢者の間に医療の受診控 えとともに、介護についても利用控えが起きていま す。サロンなどは開催されていないというのがこの 報告では81%。認知症カフェや家族会などインフ ォーマルサービス利用についても、著しくあるいは やや減少しているという回答は46%と継続の困難 さが示されておりました。道は、こうした実態をど のように把握をして、その影響をどのようにとらえ ているのか、まず伺います。
高齢者保健福祉課長 介護予防事業への影響についてでありますが、道 では、本年7月に介護予防に資する通いの場の運営 に関する調査を実施したところであり、その結果は、 本年2月28日から5月25日までの緊急事態宣言 の期間において、道内に約5千か所ある通いの場の 82%が休止しており、7月現在で再開が確認でき たのは、約2千3百か所で45%となっていたとこ ろでございます。高齢者が通いの場の利用を控え、居宅で長い時間 を過ごすことは身体や認知機能が衰えた状態となる ことが懸念されるため、新型コロナウイルス感染症 の影響が長期化する中では、感染リスクに十分留意 しつつ、介護予防の取組などの対策を継続していく ことが重要と認識しております。
【高齢者保健福祉課長 認知症予防等の今後の取組についてであります が、高齢者の運動不足の改善や、生活習慣病の予防、 社会参加などは、認知症の予防に資すると考えられ ることから、これまでも道では、市町村における通 い場の拡充などを進めてきたところでございます。
一方で、新型コロナウイルス感染症の影響を受け ながら運営している事業所の中には、配送業等の民 間事業者と連携した見守り活動や、テレビ電話を活 用したバーチャルな通いの場といった、感染防止に 配慮した工夫や取組を行っているところもありまし て、道といたしましては、こうした優良事例を紹介 し、横展開を図るなど、地域の取組を支援している ところでございます。また、道では、今年度、自宅でできる体操などを まとめたパンフレットや、体操動画のDVDを配布す ることとしており、今後、計画策定の中で、感染拡 大防止と高齢者の健康維持の両立を盛り込むことに ついて検討してまいります。
真下道議 (答弁後) 道内は緊急事態宣言がいち早く発令されておりま すから、大変厳しい状況だったということが明らか になりました。7月でも過半数で再開が確認できて いないということですから、今般の感染拡大を踏ま えて、今後もフォローをしていただきたいと思いま す。
(二)認知症予防等の取組の見通しについて 先ほど報告されました第8期北海道高齢者保健福 祉計画・介護保険事業支援計画素案では、認知症予 防について、市町村における通いの場の拡充などに 取り組むと明記をされておりますが、利用できない 状況が生じているわけです。新型感染症の影響をど のように把握をしているのか。計画の中で、道とし てはどのように見通しを持ち、こうした活動をどう 展開しようとしているのか、伺います。
真下道議 (答弁後) 重要な役割を果たしている。しかしながら、やは りこうしたところは、体力が弱いので、継続してい くことの困難さというのは、今後でてくる可能性が ありますので、しっかりと支援していただきたいと 思います。
(三)アウトリーチへの影響について 次に、アウトリーチといわれる初期集中支援チー ムや、地域包括支援センター総合相談支援による訪 問などについても、抑制や中止など、大きな制限が 生じていると報告をされておりましたが、道内の状 況はどのような状況でしょうか。また、どのように 対策をとってきたのか併せて伺います。
高齢者保健福祉課長 訪問支援の状況についてでありますが、一般社団 法人・人とまちづくり研究所が実施いたしました調 査によりますと、感染拡大による業務への影響があ ったとする地域包括支援センターは全国の約73% で、その内容は、「訪問が全部又は一部中止」、「一 部業務を在宅ワークへ切り替えた」、「出勤者数が減 少し、少人数で運営している」などとなっておりま す。
なお、初期集中支援チームの状況につきましては、 毎年実施しております、国の調査等により実態の把 握に努めてまいりたいと考えております。
また、支援に当たりましては、本年4月に新型コ ロナウイルス感染症の影響を踏まえ、国が策定いた しました基本的な対処方針において、地域包括支援 センターなどが、積極的に訪問を実施できない場合 の対応として、電話による支援や市町村など関係機 関と連携し、見守りなどの取組を行うよう示されま したことから、道といたしましては、これらの内容 の周知に努めたほか、感染防止に必要なマスクなど の衛生用品を送付し市町村への支援を行ったところ でございます。
高齢者保健福祉課長 単身高齢世帯数などについてでございますが、本 道の単身高齢世帯は、平成22年の26万2千世帯 に対しまして、令和2年には36万6千世帯と、約 1.4倍になると見込まれております。また、65 歳以上の要介護者を、65歳以上の家族が介護する、 いわゆる老老介護の割合は、国民生活基礎調査によ りますと、全国で平成22年の45.9%から、令 和元年には59.7%と、13.8ポイント増加し ております。こうした世帯の増加に加え、障がいや経済的困窮 など、複合的な課題を抱えた世帯もあることから、 社会的孤立やサービスの利用控えが懸念されるとこ ろであり、地域の支援体制の充実が重要と認識して おります。
このため、道では、個々のニーズに応じ適切なサ ービスが提供されるよう、地域包括支援センター職 員の資質向上のための研修や困難事例の課題解決の ため、弁護士などの専門職を派遣するなど、地域に おいて、高齢者とその家族を支える体制づくりに取 り組んでいるところでございます。
真下道議 (答弁後) 電話による支援のあり方については、利用料をど う取り扱うかという問題でもこの委員会で積み上げ ていきましたけれども、本当に厳しい状況ですね。
(四)単身高齢者や老老介護等の実態について ただ、こうした中で、本当に困難を抱えている単 身高齢者や老老介護状態となっている世帯が増加し ているんじゃないかと思うんですけれども、この1 0年でどのくらい増加しているのか、また、障がい があったり経済的困窮を抱える高齢者等の困難さと いうのをどのように捉えているのか伺います。
真下道議 (答弁後) 本道の単身高齢者世帯が1.4倍になる見込みで、 老老介護の割合も13.8ポイント増加をするとい うことなんですけどね、やはり地域で暮らしていく のに、非常に大きな困難を抱えていてそこで行き詰 まって虐待や様々な不幸な出来事につながるってい うことは、ないようにしなければならないと、その ためにやはり相談活動が充実していくことが本当に 重要だと思うわけです
高齢者支援局長 介護予防・生活支援サービスについてでありま す。要支援の高齢者に対する通所と訪問のサービス は、平成29年度から介護事業所に加え、NPOや ボランティアなど、多様な主体によるサービス提供 が可能となり、従来の介護サービスのほか、ボラン ティアによるごみ出しやサロン開設などのサービス を提供しているのは今年度103市町村と当初の8 2市町村から年々増加しているところであります。
こうした中、取組のノウハウの不足やボランティ アの確保ができないなどの課題もありますことか ら、道では、来年度スタートいたします第8期の介 護保険事業支援計画にボランティアの養成や掘り起 こしを行う生活支援コーディネーターのスキルアッ プや、アクティブシニアの方が、生活支援の担い手 として活躍するための研修を盛り込むなど、地域の 実情に応じた介護予防・生活支援サービスの充実を 支援してまいります。
施設運営指導課長 物資の確保等についてでございますが、道では、 新型コロナウイルス感染症対策の一環といたしまし て、社会福祉施設等に対する衛生用品の配布や全振 興局に一定の備蓄を行うとともに、市町村とも連携 して必要な物資を適時、供給していることに加えま して、事業所等に対するサービス継続に必要な衛生 用品購入等に係る経費、いわゆる「かかり増し経 費」への支援など、必要な物資の確保を進めてきた ところでございます。
今後とも、引き続き、これらの取組みを不断に進 めていくとともに、社会福祉施設等において集団感 染が発生した際には、必要な衛生用品等を速やかに 配布するなど、市町村、関係団体等とも連携・協働 し、迅速かつ円滑な備蓄・供給体制が図られ、適切 に運用されるよう積極的に取り組んでまいります。
(五)介護予防と生活支援サービスの充実について 道のほうもですね、可能な限り住み慣れた地域で 日常生活を営むことができるような地域包括ケアを はじめ、介護予防と生活支援サービスの充実が重要 だと考えるわけですけれども、このサービスの充実 等が、どの程度、現状実現していて、どのような課 題があると考えて、この第8期の計画に反映しよう としているのか伺いたいと思います。
(答弁後) 私は、基本はやはり、介護保険の利用が基本にあ って、そのほか手が回らない部分は、ボランティア などで、こうした活動に取り組むことは重要なので すけれども、しかしそれだけではやはり回らないと いうふうに思います。
(六)災害・感染症に係る体制整備について 計画では、災害・感染症に係る体制整備が今般盛 り込まれました。当委員会でも取り上げてきたので すけども、感染防止に係る備品や医薬品、衛生用品 等の確保・備蓄に努めることも盛り込まれておりま すが、道や振興局と市町村、それから事業者のそれ ぞれの役割、負担、配分などについての考え方は、 どのように整理されているのかうかがいます。
真下道議 (答弁後) 介護の現場では介護用品が足りなくてさまざまな 困難の中、仕事をされていた方たちのお話もあっ て、こういうふうな体制が取られるなと思いますの で、そういうことが繰り返されないように、是非備 蓄の方も含めてですね、準備を行っていただきたい と思います。
(七)介護施設への感染症対策指導の強化について それと併せてですね、感染症対策の指導の強化に ついてもこれまで取り上げてまいりました。札幌市の介護施設で17人がなくなったクラスタ ーが発生した後も、感染症対策の強化を求めてきた わけですけど、各地の介護施設でクラスターが生じ ている状況があります。これまでの対策で、はたし て十分といえるのかというとそうではないのではな いかと考えているところです。道は、感染症対策として介護施設への指導を行う と当委員会でも答弁されていたわけですけど、感染 症対策指導をより強化する必要があるというふうに 考えます。第8期計画にも反映させていくべきでは ないでしょうか。
真下道議 (答弁後) 感染症指導医でも、やはり現場を見なければそこ でどういうふうに効果的な対策をとれるのかという ことがわからない、判断できない場合もあるという ことなので、実効ある対策というんですか、現場に 対応した対策をとっていただきたいと思います。ただ、介護ケアというのは非常に接触を伴う業務 となっています。感染予防という観点から、今の、 私は旭川ですけども、基幹病院でもクラスターが発 生するなど、非常に感染予防が難しいのがこのCOVI D-19だというふうに思うわけですね。
(七)真下道議 (答弁後)再質問 それで先ほど感染した場合スタッフを相互派遣し たりして融通するということもあったんですけども 午前中の保健福祉委員会で、行政検査とは別に高齢 者施設等で自ら検査の必要性があると判断した場 合、実費で検査をする場合ですね、その経費が国の 交付金事業の対象となるため、関係施設等に対して 道は周知しているんだということを答弁をされてい たというというふうにきいております。しかし現場 ではほとんど知られていないのと、それから関連施 設へのチラシにも記載がなかったということも指摘 をされておりますので、感染予防をしながら感染し た場合の把握を早くすると、全ての利用者と職員に 対してできるような体制ってやっぱり必要なんだけ ども財源がないとできないということで、この交付 金事業が使えるのであればもっともっと周知するべ きじゃないかと思うんですけどいかがでしょうか。
真下道議 (答弁後) 良いことは出し惜しみをしないでよく知らせてで すね、運用していただきたいなというふうに思いま す。
日本認知症学会の調査では、新型コロナ感染症に よって、様々な制約が生じ始めて約2カ月しかたっ ていないにもかかわらず、症状の悪化を認めた専門 医がかなりの数に上っていて、在宅生活が増加して いる状況が明らかになりました。そうした中で、う つ症状の増加や、活動量やADLの低下、認知障害 の悪化などが認められてもいます。こうした新たな 実態を十分把握したうえで、第8期計画にも反映し ていく必要があるのではないかと考えますけれど も、いかがですか。
真下道議 (答弁後) 寿命が延びている中で、どれだけ健康で自分らし く最後まで生きられるかということが、非常に重要 な時代になってきています。介護保険などでサポー トすることももちろん必要ですけれども、自分の人 生を全うできるよう社会的にサポートする体制の最 先端にいる皆さんが、感染症に負けないで、全力で 対応していただきたいということを申し上げて質問 を終わります。
高齢者支援局長 介護予防・生活支援サービスについてでありま す。要支援の高齢者に対する通所と訪問のサービス は、平成29年度から介護事業所に加え、NPOや ボランティアなど、多様な主体によるサービス提供 が可能となり、従来の介護サービスのほか、ボラン ティアによるごみ出しやサロン開設などのサービス を提供しているのは今年度103市町村と当初の8 2市町村から年々増加しているところであります。
こうした中、取組のノウハウの不足やボランティ アの確保ができないなどの課題もありますことか ら、道では、来年度スタートいたします第8期の介 護保険事業支援計画にボランティアの養成や掘り起 こしを行う生活支援コーディネーターのスキルアッ プや、アクティブシニアの方が、生活支援の担い手 として活躍するための研修を盛り込むなど、地域の 実情に応じた介護予防・生活支援サービスの充実を 支援してまいります。
施設運営指導課長 物資の確保等についてでございますが、道では、 新型コロナウイルス感染症対策の一環といたしまし て、社会福祉施設等に対する衛生用品の配布や全振 興局に一定の備蓄を行うとともに、市町村とも連携 して必要な物資を適時、供給していることに加えま して、事業所等に対するサービス継続に必要な衛生 用品購入等に係る経費、いわゆる「かかり増し経 費」への支援など、必要な物資の確保を進めてきた ところでございます。
今後とも、引き続き、これらの取組みを不断に進 めていくとともに、社会福祉施設等において集団感 染が発生した際には、必要な衛生用品等を速やかに 配布するなど、市町村、関係団体等とも連携・協働 し、迅速かつ円滑な備蓄・供給体制が図られ、適切 に運用されるよう積極的に取り組んでまいります。
施設運営指導課長 感染症対策に係る指導についてでございますが、 道では、社会福祉施設等に対し、感染拡大防止のた めの実践的な研修を道内14振興局で開催するとと もに、こうした研修内容を動画で公開するなどし て、福祉サービスを提供する事業所などに対して も、個々の実情に合わせた感染予防策を講ずること ができるよう、様々な機会を通じて指導してきたと ころでございます。
また、災害・感染症に係る体制の整備につきまし ては、現在検討中の高齢者保健福祉計画・介護保険 事業支援計画に、新たに、盛り込むこととしてお り、この中で振興局が実施する「集団指導」におい て、感染防止とまん延防止の重要性について指導す るとともに、「実地指導」の際に、適切な措置が講 じられているか等を確認し、不十分な施設等に対し
て、研修動画等を活用するなどしながら、より実践 的な指導を行うなどして、実効性ある感染症対策と なるよう、取り組んでまいります。
【施設運営指導課長 補助制度の周知についてでございますけども、高 齢者施設等への検査にかかる補助金の取扱につきま しては、11月20日の通知で周知しているところ でございます。今後とも機会あるごとに事業者の皆 様の理解が深まるよう、さらなる周知に取り組んで まいる考えでございます。
【少子高齢化対策監 高齢者の新型コロナウィルス感染症対策について でございますが、新型コロナウイルス感染症に対す る有効なワクチンが存在しない現状におきまして は、特に重症化をしやすい高齢者の方々の感染症予 防の徹底とフレイルや認知機能の低下防止など、従 来からの課題への対応を両立していく必要があると いうふうに認識をしております。
本日ご報告いたしましたとおり、道では現在策定 中の第8期計画に感染症にかかる体制整備を盛り込 むこととしておりますが、本計画がより一層実態を 踏まえた実効性のあるものとなりますよう、今後、 計画案の策定に向けまして、当委員会でのご議論を 踏まえることはもとより、医師会や介護事業所、市 町村による計画検討協議会でさらに検討を重ねます とともに、老人クラブやサービスを利用されている 方々からもご意見を伺うなどして、必要な施策や体 制について検討し、計画に反映をしてまいります。
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原発マネーで最終処分場誘導 2020年11月12日(木)
決算特別委員会 知事総括質疑で真下紀子道議が質問
最終処分場は 「安全基準なし」「環境影響調査なし」「処分量天井知らず」道議会決算特別委員会で、泊原発関連の原発マネーは36年間で1743億円、立地地域が原発マネー依存から抜け出せない実態を明らかにした真下議員。高レベル放射性廃棄物最終処分場問題でも、原発マネー-による誘致誘導、巨大な施設にもかかわらず環境調査は対象外、処分量は天井知らず、規制基準はないなど、最終処分場の危険性に関する重要な答弁を引き出しました。
2020年11月11日定例第4道議会 決算特別委員会 【経済部所管】
【原発マネー1743億円の給付金 4つの交付金(36年間)】
【(電源三法交付金)道と町村】原発2011年泊原発の交付金(S59〜R1)36年間 道177億円 泊257億円 共和66億円 岩内111億円 神恵内56億円、地域の振興や福祉に使用の合計667億円。
【周辺住民の電気料の給付】原子力立地給付金32億円(原発周辺の住民への電気を利用する方々に給付)。
【固定資産税収入】収入額 泊647億円(道195億円)。
【核燃料税(S63設置)】は道の収入として31年間で200億円(核燃料の価格に課税)、(H25からは核燃料の価格がなくても熱出力の課税として道民の電気料金から徴収し道に収入で入る仕組みに変更)
「国の手法は巨額の交付金での合意形成」と道 原発マネーと同じように、多額の交付金によって誘導する最終処分場の決定は絶対に許されないとする真下議員に、道は、「科学的特性マップを示し、巨額の交付金を前面に出して公募する国の進め方は、様々な考え方を持つ地域住民の合意形成を図ろうとする印象がある」と答弁。真下議員は、「法では、最終処分場に一度応募をすれば、選定対象となる」とのべ「国民的コンセンサス、科学的な知見の上に、時間をかけて話し合うことが最も大事」と主張しました。
環境影響の調査対象外 北大構内相当の地上施設とその5倍となる巨大な地下施設が及ぼす自然環境への大きな影響をどう把握するのか、真下議員が質問。
道は、特定放射性廃棄物最終処分施設は、環境影響評価法の対象事業ではないうえ、道の環境影響評価条例の対象外と答弁。真下議員が、対象にすべきではなかったかと重ねて問うと、道は、「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律に基づく建設のため、その安全性については、国において、厳格に審査等が行われるものと考えている」と無責任な対応に終始しました。
1000年しかもたない容器 特定放射性廃棄物の埋設後の影響について、道は、原子力発電環境整備機構、いわゆるNUMOによる説明を繰り返し、「ガラス固化体を封入する金属製の容器であるオーバーパックは、放射能レベルが高い初期の安全性を確かなものにするため、放射能が大きく減衰するまでの少なくとも1,000年間については、ガラス固化体を地下水に触れさせないという機能が求められる」「それ以降の期間はその機能が失われても、オーバーパックを包む、 粘土などでできている緩衝材などが人工バリアとしての機能を維持するほか、水を通しにくい岩盤が天然バリアとなり、安全性を確保する」「地層処分においては、様々なリスクを考慮して最終処分場の立地場所の選定と設計を行うことで、長期に渡る安全確保を図る」と答弁。また、自然現象による事故は発生することが考えにくいと前置きし、「地上における放射線量は、国際機関の勧告における事故後の回復や復旧の時期の水準の範囲に収まる」と強弁しました。
安全基準・規制基準なし オーバーパックは1,000年後までしか保たないということが明らかになったと指摘した真下議員。影響を過小評価し、超長期の安全な管理を考えているとは到底考えられないとのべて、規制組織と安全基準を質しました。
道は、「最終処分地選定後、原子炉等規制法に基づき、基本設計、建設、操業などの各段階で、原子力規制委員会の審査や検査などを受け、安全性が確認される」と答えましたが、「審査や検査の具体的内容や基準は、今後整備される」と述べ、何も決まっていないことを認めました。埋め戻し後の安全基準等についても、道は、「安全基準については、今後国で定め、施設閉鎖後のモニタリングについては、施設の設置主体であるNUMOにより行われる」と表明。しかし、これは、前日に道が国に問い合わせて初めてわかったことです。道民には全く知らされたことはありません。
最終処分量は天井知らず 低レベル放射性廃棄物のうち、半減期が長いウランより原子番号が大きい放射性核種を含むものであり、使用済燃料の再処理や、再処理によって回収されたウランやプルトニウムを発電用燃料に加工する工程等で発生するTRU廃棄物というものも地層処分されます。TRU廃棄物のうち、比較的放射能レベルが高く、半減期が長いものは、最終処分法において地層処分の対象となる第二種特定放射性廃棄物に該当。国内での貯蔵量は、平成19年3月末時点で、約3,231立方メート ル、今後の発生量の見込みは明らかにされていないと道が説明。最終処分施設の規模は、19,000立方メートル以上必要だとするだけで処分量は、どれだけ増えるかわからないものだと判明しました。
鈴木知事、条例遵守繰り返すだけ 政府と青森県は、「核燃料サイクル協議会」を開催し、青森県を核の最終処分地としないことで同意しています。一方、鈴木直道知事は、道条例の順守を繰り返し、「現時点で受け入れる意思がない」と繰り返すだけで、まったく及び腰です。
2020年11月12日の知事総括質疑で、条例遵守だけで、核のゴミを道内に持ち込ませないことができるのか、と知事に迫りました。知事は、「条例の趣旨を国にお伝えし、概要調査に移行しようとする場合、現時点で反対の意見を述べる考え」「経済産業大臣から、知事の反対があれば、次の調査に進まないとの回答を得ている」と繰り返すだけで、実効性を伴う国との合意を取ろうとはしません。
道議会 2020年 決算特別委員会 知事総括質疑
36年間1743億円原発マネー投入
令和2年 決算特別委員会 総括質疑
開催状況(経済部環境・エネルギー局環境・エネルギー課)
開催年月日 令和2年11月12日
質 問 者 日本共産党 真下 紀子 委員
答 弁 者 鈴木知事
質問と答弁の一部を写真したの下記に掲載
質問者 真下紀子道議 原発マネーの受け止めについて 分科会審議で、泊原発に関する原発マネーといわれる 国からの交付金・給付金、税収の合計額が約1,743 億円に上ることを初めて明らかにいたしました。福島第 一原発事故以降、ここ10年で800億円近く増えてい るわけです。交付金は立地地域の振興や福祉の向上に役割を果たしてきたと経済部は答えていますが、人口減少は、2014年比で後志管内の他町村に比べて、岩宇4 町村は7.3%も人口減少が進んでいます。神恵内村で は財政力指数が実に0.09という極めて厳しい財政状 況となっておりまして、最終処分場選定への応募の理由 とも言われています。これまで本当に地域にとって有効に使われた結果、こうなっているんだと知事は胸を張って、主張できるんですか。
再質問 原発マネーの受け止めについて そうやって原発マネーに縛られる構図を作ってきている訳ですけど、通常は十分な地方交付税を充てるのが自 治体のあり方ではありませんか。他の自治体では歯を食 いしばって頑張っているところもあります。本当に知事 がですね、原発マネーが地域振興や福祉の向上に効果が あったというのなら、なぜ、人口減少に歯止めがかから ないのか、なぜ厳しい財政状況が改善されないのか伺い ます。
道における原発マネーについて それが原発マネーに依存していては抜けられないということを申し上げているんです。それで北海道の方なん ですけども、交付金と税収併せて、36年間で約573 億円を原発マネーに依存してきました。泊原発の稼働を 前提としながら、この依存体質からどうやって抜け出す ことができるんですか。
鈴木知事答弁 泊発電所の立地地域への交付金についてでありますが、これまで原発立地自治体などへ交付されてきたいわ ゆる電源三法に基づく交付金は交付目的や交付対象に応 じ、公共用施設の管理・運営や整備、保健福祉サービス の提供といった事業に活用されております。これらの事 業を通じて立地地域の振興や福祉の向上に役割を果たし てきたと考えているところであります。道としては、地域において産業の振興や地域住民の皆 様の福祉の向上を図ることは重要であると考えておりま して、本交付金事業はもとより、国や道の様々な施策も 活用するなどして、立地地域の振興に向けた取組を促進 していく必要があると考えております。
立地地域への交付金についてでありますけども、私としては、各町村は地理的条件や人口の構造や産業の状況、 財政状況も含めましてそれぞれ異なる環境にあります。 そうした中で、産業の振興や地域住民の福祉の向上に取 り組んでいるというふうに受け止めてます。
泊発電所に関する道の交付金などについてでございますけども、国から道に交付されている交付金については 国の交付要綱に基づきまして、防護服や放射線測定器と いった緊急時に必要な資機材の購入など主として原子力 発電所周辺地域の住民の皆さまの安全対策等に使ってき たところでございます。また核燃料税収入と、泊村の大規模な償却資産に対す る固定資産税収入は、道の税収全体の約0.2%となっ ておりまして、道が、こうした交付金や税収入に依存し ているというご指摘はあたらないのではないかと考えて おります。
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新型コロナ感染症の拡大にともない北海道鈴木知事への要請 2020年11月21日(土)
新型コロナ感染症の感染拡大が止まらない状況にあります。真下紀子道議は、2020年11月21日(土)、鈴木知事に対し、新型コロナ感染症の無症状者の発見と保護隔離のために、コンタクトトレーシング(接触者追跡)の抜本的強化と、医療現場のひっ迫回避・通常医療確保のために、宿泊療養施設の体制が整っていない旭川市や道東圏での宿泊療養施設の確保を早急に行なうこと。
国に対しては、休業保障の拡充と家賃支援等の継続、生活福祉資金や生活保護の活用とGOTOキャンペーンの見直しを求めることを要望しました。
対応した中野祐介副知事からは次の回答がありました。
1)積極的疫学調査に全力をあげる。
2)4定予算で宿泊療養施設を札幌で増設し、道北、十勝管内など全道域で確保したい。
3)1880分の空床を確保した医療機関への補助単価の引き上げについてそれぞれ予算措置したいと応じました。
道は旭川市と帯広市に施設1棟ずつを確保する予定です。道は道央圏以外でも感染者が増えれば、受け入れ人数100人程度の療養施設を設る予定です。札幌では「アパホテル&リゾート札幌」と「東横イン(札幌すすきの交差点)」が療養施設として確保し稼働、新たに札幌市内で3棟目の宿泊療養施設「ホテルフォルツァ札幌駅前」を確保している。
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2020年11月12日(木) 決算特別委員会 知事総括 質問者 真下紀子道議
カジノを含む IR=統合型リゾート施設の誘致の検証
2019年11月29日に、北海道の鈴木知事は、道議会の本会議でカジノを含むIR=統合型リゾート施設の誘致について断念する意向を表明しました。北海道が統合型リゾート誘致の候補地は、苫小牧市域周辺の新千歳空港に近い区域です。空港からのアクセスがよく、札幌からのアクセスも良好な地域で、誘致候補地としては、誘致賛成派からは有望な地域とされていたものです。鈴木知事は2019年11月29日の道議会の本会議で「私自身熟慮に熟慮を重ねた結果、誘致に挑戦させてほしいとの思いに至ったが、今回、区域認定までの限られた期間で環境への適切な配慮を行うことは不可能だと判断した」、また「IRは経済・社会に大きなインパクトを与え、持続的な発展に寄与するプロジェクトだ。きたるべき時に挑戦できるよう、所要の準備をしっかりと進めていく」と述べ、2021年7月までの国への申請は、断念する意向を表明しています。
しかし、将来的に誘致する可能性を検討していく意味合いが伺われます。2019年度までで、道は誘致調査などにあたって4,270万円を使っています。
現在、贈収賄事件がありIR=統合型リゾート施設の誘致については、影を潜めた状況にありますが、これまでのIR=統合型リゾート施設の誘致対応状況は、検証が必要です。
真下道議は、カジノ業者と道職員の面談記録の確認を求めましたが、道側が非開示と決定しています。同じく誘致候補地として名乗りを上げた東京都では、事業者ごとに、職階(職位)ごとに資料がまとめられ、開示することが出来るようになっています。真下道議が、開示に関する対応の差を指摘することで、ようやく2016年度(8件)、2017年度(23件)、2018年度(40件)、2019年度(24件)、2020年(10月まで4件)の記録件数だけが示されました。道は、IR=統合型リゾート施設の誘致のこれまでの説明責任を避けている状況にあります。今後とも適切な資料開示を求め、道の対応を注視する必要があります。
令和2年 決算特別委員会(知事総括) 経済部観光局
知事総括記録を一部抜粋して掲載 開催年月日 令和2年11月12日(木)
質 問 者 日本共産党 真下 紀子 委員
答 弁 者 北海道鈴木知事
質問者真下紀子道議 道民への説明責任に付いて 観光政策についてです。道民への説明責任について 観光政策についてです。道では、道内へのカジノ誘 致を巡って、贈収賄事件が起きています。2019年度ま で、4,270万円をかけてカジノ誘致を進め、道は今後 も進めると主張しております。ところが、道職員とIRカジノ事業者との面談記録 を作成保存しているにもかかわらず、道民には示そう としません。知事はこれで、道民への説明責任を十分 果たしているとお考えでしょうか。
だから開示していただきたいのです。知事が、かつていらっしゃった東京都は、事業者の固有名詞は出さないものの、事業者ごと、職階ごとに、 わかる範囲で開示をしております。東京都と北海道の 情報公開条例に差はありません。知事はなぜ面談記録 の非開示を決定したのですか。知事にはがっかりですね。新しい知事になって変わるかと思ったのですけれども、情報公開は東京都よりも後ろ向きであることが明らかになりました。
開示の影響について 面談記録は2016年度以降、99件あることが分科会で明らかになりました。いつどの職位の者が対応したか、 道民の前に明確にして、一体どのような差し障りがあ るというのでしょうか。
私は、そのためにも開示が必要だと思います。 知事は色々なところに顔を出されていますけれども、私が求めているのは開示文書という紙を出して、 説明責任を果たすことだということを、指摘をしておきます。
鈴木知事 IRに関する取組についてでありますが、IRは本道経済に大きなインパクトをもたらし、持続的な発展 に寄与するプロジェクトとしての可能性があるという 認識のもとで、道としてはこれまで、本道へのIR導 入による経済効果や社会的影響対策等の調査、地域説 明会など必要な事業を実施をしてきたところであります。こうした中、IR事業者との面談記録に関しては、 北海道情報公開条例に基づき、非開示としているとこ ろでありますが、今後とも、IRの意義や検討状況について適切な情報発信を行うなど、道民の皆様の理解 促進に努めてまいる考えであります。
面談記録の取扱についてでありますけれども、道では、IR事業者との面談記録に関しては、開示するこ とにより、事業者間の競争や事業運営上の地位が不当に損なわれると認められることから、条例に基づき、 非開示としているところでございます。
IR事業者との面談記録についてでありますけれども、IR整備法に基づくIR事業者の選定は、公募手 続きによるとされている中で、道では、日付や職位を含め、IR事業者との面談記録の情報を公開することは、公募という公平な競争が損なわれる恐れがあるとの観点から、非開示としているところであります。現在、国ではIR事業者との厳格な接触ルールの策 定など基本方針の見直しを行うこととしているところであります。
道としては、今後とも、国の動向などを注視をしな がら、適切に対応していく考えであります。
2020年11月21日 しんぶん赤旗