2025年9月26日の道議会予算特別委員会、出産前後の収入減少は自営業も農業もフリーランスも同じ。道は、「市町村の意見把握する」と応じました。
働く女性が出産を選ぶとき、出産で働けない期間の生活費の不安を感じています。ところが、社会保険にはある出産手当金制度が、国民健康保険の場合はありません。(出産手当金は産休取得時の手当金です。産休を取得する健康保険組合に加入している女性会社員に支給されます。)
真下紀子道議に出産手当金創設の要望が寄せられ、2025年9月26日の道議会予算特別委員会で、国保での出産手当金の創設を強く求めました。
公的健康保険では保険の種類にかかわらず、出産による経済負担軽減を目的に加入者の出産には出産育児一時金が給付され、子育て世帯の負担軽減のため出産する被保険者の産前産後期間の保険料免除などの支援をおこなっています。
出産前後の休業期間の収入減少に対する所得保障とし、社会保険では出産手当金が給付されますが、国民健康保険では出産手当金が給付がありません。

国民健康保険法と事務概要には、「市町村及び国保組合は、出産手当金、傷病手当金等の任意給付はできる」と明記されています。コロナ禍では被扶養者への傷病手当金支給の実績もあります。しかし、出産手当金は財源がなく、全国にも例はありません。
国は、「市町村国保加入者の就業・生活形態は多様なため、出産時の収入減少の形態も多様で、妥当な支給額の算定が難しい」として、出産手当金の創設に背を向けています。
「出産手当金が給付されない道内の出産数の約1割は国保加入者の出産です」と真下道議は説明しました。「個人事業主やフリーターという働き方を選択する方々が増えている中、事業主であっても産前産後は働けなくなって減収になるのは同じです。
出産時の所得保障は不可欠です。コロナ禍では被用者への傷病手当金給付実績もあり、前年度の所得がわからなくても保険料は設定される。払えない程高い保険料を納めながら、出産という大事を果たす女性にとってあまりに不公平な対応」だとのべ、国保の出産手当金の創設を強く求めました。
古岡昇保健福祉部長は、「国は、出産手当金を全国的な制度とすることは、所得保障としての妥当な支給額の算定が難しいこと、多様な被保険者間の公平性や財源確保にも課題があるとの見解、市町村国保の任意給付にも同様の課題が生じる」と答えました。一方「国は、短時間労働者等の国保から被用者保険への適用拡大を段階的に進め、出産手当金が受給可能となる。こうした国の動きを踏まえ、市町村の意見を把握する」と応じました。
傷病手当金 傷病手当金は、被保険者が病気やけがのために働くことができず、会社を休んだ日が連続して3日間あったうえで、4日目以降、休んだ日に対して支給されます。 ただし、休んだ期間について事業主から傷病手当金の額より多い報酬額の支給を受けた場合には、傷病手当金は支給されません。
令和6年(2024年)10月から従業員数51人以上の企業は正社員だけでなく、一定の要件を満たすパートやアルバイトなどの短時間労働者についても社会保険の加入が義務となっています。
令和6年11月11日
厚生労働省、日本年金機構 厚生年金保険部のPDF資料より抜粋
