専決処分 鈴木知事「極めて異例の対応であり、・・」
道議会の意見聞き議論する 2020年6月24日道議会一般質問の内容
鈴木直道知事は、2020年5月14日に国の緊急事態宣言の区域変更を受け、翌15日以降の休業要請と支援措置を決定するという理由で、約48億円の補正予算を議会に諮らずに専決処分した件を、2020年第2回定例会に報告しました。
真下紀子議員は、2020年6月24日の一般質問で、「事業申請の受付は29日からであり、議会開催日程は確保できた」とのべ、今定例会冒頭での300億円を超える先議要請など、議会議論を回避する知事の姿勢を厳しく指摘しました。
2020年5月14日に党道議団として「ただちに予算を執行できるよう議会を開会すべき」と申し入れたと紹介したうえで、申し入れの際と議会答弁に違いがあると指摘。「だからこそ、この議事堂で堂々と論戦し、道民が知るところとなる議会が重要。専決処分・先議を乱発することないよう」求めました。
知事は、「極めて異例の対応であり、二元代表制の両輪である議会の意見を聞き、議論していく」と答弁しました。
2020年7月4日(土) 旭川市内での第2回定例道議会の街頭報告を行いました。コロナ禍により医療機関や介護施設の人員不足や経営状況が悪化しています。医療継続へ緊急の支援を求めたことなど報告しました。
一斉休校の解除後、20人程度の少人数学級で再開されています。この少人数での学習が子どもの成長と学びに有効と報告されていること、教員定数増によるで少人数学級の実現が必要である事を報告しました。
以下は、2020年5月14日の対応内容
鈴木知事議会開催の働きかけなし、臨時会なしで決定
【専決処分にコメントを発表】鈴木知事の専決処分議会軽視も甚だしい
北 海道は、国の「緊急事態宣言」継続の対象地域となったため、15日、鈴木直道知事は事業者に支援金を追加する約48億円の補正予算を道議会に諮らずに専決 処分しました。日本共産党道議団は14日、緊急要望を行たった際、「遅滞なく執行するため直ちに臨時議会を招集するよう」申し入れました。
憲法93条が明記している、住民が直接選挙で選ぶ首長と議会が相互に均衡と抑制を働かされる二元代表制のもと、自治法に定められた専決処分の適用は、自然災害等の緊急時に、議会招集がかなわない、緊急性がある場合など、極めて限定的に認められるものです。
道 議会は、12・13両日、一斉委員会開会のため議員が登庁していました。議会事務局も臨時議会を視野に入れていましたが、鈴木知事からの議会開会の働きか けは一切ありませんでした。臨時会を提案する時間がないという言い訳は到底成り立ちません。たとえ、良い政策であっても民主的手続きに瑕疵があると民主主 義を壊しかねません。申し入れに対応した浦本元人副知事は、「今回限り」とのべましたが、かつて専決処分を乱発し、大混乱をもたらした強権的な事例(鹿児 島県阿久根市)もあります。
次の議会に報告し承認を求めることになっていますが、政策予算の専決処分は異例中の異例です。2011年の東日本大震災の際には、年度末にもかかわらず、3月30日に臨時議会を開催し、議論を重ね、議決しています。
それに比べ、鈴木知事は、鈴木知事は「一日も早く届ける観点から知事権限で判断した」と強弁しましたが、議会軽視も甚だしいものです。甘い見通しで議会招集できなかったしくじりを口実に、知事の暴走が許されるものではありません。
【かつて鹿児島県阿久根市の市長が市政の混乱をもたらした】
総務省の行財政検討会議【2010年1月1日総務大臣決定】において論点として取り上げられることとなり「地方自治法抜本改正についての考え方(平成22年)」【平成23年1月26日総務省】に盛り込まれています。
専決処分の要件
憲 法93条は、議事機関として議会を設置し、長及び議会の議員は住民が直接選挙で選び、地方公共団体は、財産の管理、事務の処理及び行政を執行する権能を有 し、条例を制定することができると規定しています。議会と長の二元代表制を採用するのは、①議会の議員と長の直接公選による住民意思の反映と民主的な政治 行政の運営 ②議会と長との相互けん制による均衡と調和(機関対立主義) ③議会から独立した長による計画的・効率的な行政運営などが理由となっていま す。
④議会において議決すべき事件を議決しないときにできる
2020年5月20日 しんぶん赤旗