道3つのダム事業で増額1056億円にも
「事業費増額行わない」知事守らず
高橋はるみ知事は2017年の12月道議会に、サンルダムの基本計画を変更し32億円を増額するため、知事意見の同意を議会に求めました。サンルダム建設事業では2016年にも基本計画を変更し、31億円の増額を認めたばかりです。その際知事は、「今後、総事業費の増額を行わないこと」という意見を付していました。
真下紀子道議は、「総事業費の増額を行わない」とした知事意見の重みをどう理解し実行しているのか、さらなる増額とのに整合性を知事に問いました。高橋知事は、「今回、国から示されたサンルダムの基本計画の変更に対し、昨年の経緯を踏まえ、変更内容を厳しく精査の上、意見を付すこととした」と答え、国が設置した外部の有識者による「工程コスト検討委員会」の場で審議と管理用通路の延長を短縮によるコスト縮減、新たに明らかとなった透水性の高い地質への対応や大雨による地下水の上昇への対策などの説明を受け、「やむを得ないと判断した」と答弁しました。
国直轄事業費は道負担を伴うため、道は国に対し十分な説明を求めることになっています。真下議員は、「32億円もの増額に関し、国からの説明をどう受け、検証し、納得し、提案に至ったのか」とただしました。また、北海道では現在サンルダムのほか、二風谷ダムと平取ダムを建設する沙流川総合開発事業、新桂沢ダムと三笠ぽんべつダムを建設する幾春別川総合開発事業のあわせて3つのダム事業が進められています。これらが「当初計画からいったいいくらの増額となっているのか」を質問しました。
知事は、「事業者である国から詳細な聴き取りを行い、資料提供を通じて変更内容などを厳格に精査した。総事業費の算定については妥当」と強弁したものの、「今後、総事業費の増額を一切行わないこと」や「徹底したコスト縮減を行い、総事業費の圧縮を図ること」に加え、「十分な情報提供を行うこと」などの意見を付して同意したいと答弁。さらに、「当初の総事業費約1,770億円から、今回のサンルダムの計画変更を含め、約1,056億円を増額し、約2,826億円 となっている」と知事が答えると、議場がざわめきました。
また、真下議員が、この交渉経過を記録した文書がないことを指摘。議会に提出すべきと特別発言で質問しました。知事は、「適切に対処する」と答弁しました。