新型コロナ感染の急拡大からくらしと経済を守る緊急要請
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2022年4月29日号 はつらつ道政レポート352号
道教委の社会教育施設・ネイパルの指定管理者 道職員が天下りのいる特定の業者を支援
指定管理者制度の見直しを
2022年3月11日第1回定例道議会本会議一般質問
天下りの関与、選定委員の校正・公平性を問う
真下紀子道議は、3月11日の一般質問で、道教委の社会教育施設・ネイパルの指定管理者をめぐり、道職員が天下りのいる特定の業者を支援した※1不正が発覚した問題について質問しました。道教委は、この業者の指定を取り消し、業者の再選定しなければならない状況となっています。
※1 道職員が天下りさきの新規参入事業者を有利に導く評価を、選定委員に送っていました。
天下り先となっている指定管理者は固定※2され、選定委員が道の事業を受託しているどの利害関係がある事実を確認し、公正・公平・透明性が確保できているのかと質問しました。厳正な事実解明を行い、選定のあり方を見直すべきとただしました。
※2 天下り先となっている団体が指定管理者として15年間入れ替わることなく指定管理を独占
2022.4.16 しんぶん赤旗
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北海道立青少年体験活動支援施設ネイパル指定管理者公募に関する調査報告より抜粋
天下り先は指定が固定
道が公の施設管理を指定管理者制度にしてから15年が経過。今定例会に提案中の33カ所のうち、制度導入時から同一の管理者は28施設、変更は5施設にとどまり、同一団体の指定が延々と続いています。道と道教委の元職員が、19人の天下り先となっている14指定管理団体すべてで、15年間管理を担い続けていることを明らかにしました。
選定委員との利害関係 規制なし
ネイパル問題は動機が解明されていないうえ、新規参入しようとした団体に天下りしている元道職員と、道教委の現職職員との関係が解明されていないと厳しく追及。倉本教育長は、「大変重く受け止めている。十分な解明に至っておらず、組織内の相互牽制のあり方等も検証し、再発防止と制度の運用に努める」と答えるにとどまりました。
また、鈴木知事と倉本教育長は、選定委員と職員に利害関係があるものがいたことを認めましたが、現行では規制されていないと開き直りました。
公共性に鑑みた制度の検証と見直しを
真下議員は、指定管理制度の校正・公平性、利用者の向上につながる効率的な運営など、公の施設管理の目的が、どう達成されているのか、指定管理制度の検証する時期ではないか。公共性に鑑みた客観的かつ総合的な検証を求めました。鈴木知事は、制度の根幹を揺るがす行為と答えたものの、調査結果待ちで制度を見直すとは答えません。
道議会で痴漢問題がとりあげられるのは初めて、CO2削減目標、新幹線の道負担、聞こえのバリアフリー
2022年3月道議会 真下道議の一般質問
気候危機対策
高いCO2削減目標に見直しを
気候危機は、生命に直結する食料や水の確保に回復不可能な影響を及ぼす喫緊の課題です。長野県は60%削減の野心的目標を掲げる一方、道のCO2削減目標は、2030年に2013年度比48%ととどまり国際的基準の2011年比でみると国と同じ42%にしかなりません。
削減量では、新エネで658万㌧、省エネで1,596万㌧、森林等で1,142万㌧の吸収量を見込んでいると答えました。
真下道議は「ICPP (気候変動に関する政府間パネル)が掲げた地球の上昇温度を1.5℃に抑制するための貢献が必要。2050年ゼロカーボン実現のため先進国としての深堀りと北海道の賦存量の多さを加味した高い目標設定へ見直しを」と求めました。
また、市町村が策定している地球温暖化対策の実行計画は、全国平均より少ない道内21市町村での策定にとどまっています。真下道議は「光熱費の削減と設備投資、省エネ・再エネによる経済効果と雇用創出等の経済効果を市町村が実感しながら策定していくとりくみが必要」と提案。道は、勉強会や人材派遣など様々な手法で策定を支援すると答えました。
道負担額は累計1662億円
完成までの道負担見込みはさらに約2100億円
札幌延伸まで大赤字の見通しとなっている北海道新幹線は、総事業費1兆6700億円の巨大公共事業です。事業費はすでに2020年度まで約5300億円にのぼり、これまでの道負担額は累計1662億円、完成までの道負担見込みはさらに約2100億円だと真下道議の一般質問で明らかになりました。厳しい道財政をいっそう圧迫する大きな要因です。
また、予算特別委員会の宮川潤道議の質問で、札樽トンネルや約130万立方メートルと見込まれる札幌工区からの発生土の処理方法によって、道は「相当のコストアップにつながる」と答え、計画にない多額の費用がかかることが明らかになりました。
コロナ禍でJR北海道の利用者が激減し莫大な赤字が累積する中、JR北海道は地方路線や在来線の廃線という犠牲を道民に押し付けています。一方で新幹線と関連開発事業に莫大な税金をつぎ込み続けることは交通事業者としての責任を放棄していると言わざるを得ません。
聞こえのバリアフリーの必要性
WHOの算定値では難聴者は人口の5%、本道では約26万人と推計されます。日本共産党の真下紀子道議は、3月議会一般質問で先行事例を示し、「高齢化が進む中、聞こえのバリアフリーは不可欠。補聴器の早期使用は日常生活の質の向上に有効」と高齢者の補聴器購入補助を求めました。
国の助成は重症者限定、加齢性難聴には自治体の助成が拡がっています。鈴木直道知事は「補聴器の早期使用は日常生活の質の向上に有効。補聴手段の確保は重要」と答える一方、国や他自治体の状況把握に努めると答えるだけで、助成実施に踏み出そうとはしませんでした。
痴漢・盗撮被害撲滅を
「被害にあっても声を上げにくい痴漢、気づきにくい盗撮は極めて卑劣な犯罪です」と、真下紀子道議が3月議会で痴漢問題を質問しました。「広く実態を把握し強い決意をもって撲滅するよう」求めました。
扇澤昭宏警察本部長は「痴漢・盗撮は極めて悪質かつ卑劣な犯罪行為。今後道外の実態や取組等も踏まえ、防犯メールや不審な行為の通報を呼びかけるポスター掲示など被害防止を推進する」と明言しました。
鈴木直道知事は「JR北海道やバス協会と情報を共有など、社会全体で痴漢・盗撮は許さないという意識醸成をはかる」と答えました。
道議会で痴漢問題がとりあげられるのは初めてです。
道が認める 道立江差高等看護学院で2019年に亡くなった学生は自殺
2022年3月23日の道議会保健福祉委員会
真下紀子議員の質問に道は、道立江差高等看護学院で2019年に亡くなった学生は自殺だったと認めました。
第一報がなぜ学院なのか
道は、学生を発見した教員は、警察に通報したと答えましたが、真下議員は、「事故報告書では最初に電話したのは学院、その後に警察に電話している。救命最優先ならなぜ救急に通報しなかったのか」と追及しました。道は、通報については答えず、救命の対応を試みたが、その場の状況から蘇生措置は取られなかったと答弁。
第三者調査でもハラスメントの言及が
江差高看では、第三者委員会の調査で、日常的に陰湿なパワハラが続いていたことが認定されていますが、この学生に対するハラスメントについての直接調査は行われていません。道はご遺族からの申し出がなかったことを理由にしましたが、第三者委員会の調査の中で、本事案についての言及があったことを認めました。
学院の教育姿勢の改革が必要との助言に、電話対応
真下議員は、報告書に臨床心理士の資格を持つ非常勤の方が、「学生の親、学生の中に講師の厳しさがストレスになっている様子がうかがわれた。学院の教育に対する姿勢を改革する必要があるのでは」と学院に助言していたことが明記されているとのべ、道の対応をただしたところ、当時、道は、学院と電話でやり取りをしただけでした。
道の対応に問題があったと認める
真下議員は、ことの重大さを全く認識していない対応だと批判。これまで教員によるパワハラの告発が繰り返されるたびに、事態の深刻さを軽視してきた道の対応を厳しく批判しました。道は、部としての対応に問題があったことを認めざるを得ませんでした。
自殺との関連再調査を
真下議員は、学生の自殺に関しても実態調査が必要と述べ、パワハラとの関連の再調査を求めました。三瓶徹保健福祉部長は、「重大さに鑑み第三者委員会に相談したが、自殺につながるハラスメントは確認できなかった。ご遺族からのお話をいただいた際には誠実に対応する」と、再調査にとりくむ姿勢を示したため、大きな衝撃を受けた保護者に配慮し、早急に取り組むよう求めました。
2022.3.25 しんぶん赤旗