真下紀子議員 道議会予算特別委員会 2021年3月15日(月)
【生活保護申請での親族への扶養照会】
2021年3月15日道議会予算特別委員会の集中審議で、生活保護制度について質問しました。
2020年度の最終補正予算案では、当初予算約280億円だった生活保護扶助費が、約273億円(約6億5900万円減額)となっていました。真下道議の質問に、道は生活保護申請状況が、前年15,374件から15,226件(148件減)にとどまっている事を理由にあげ、生活保護申請状況が減っている事が明らかになりました。
コロナ禍で厳しい生活状況の方も少なからずあり「コロナ禍で仕事を失い生活基盤が揺らぐ中、生活保護が有効に活用されていないのではないか」と質問しました。
このあと、真下道議は生活保護申請の身内への扶養照会のありかたについて質問しています。この質問で、道保健福祉部は、生活保護申請が減少は、生活福祉資金の特例貸付や持続化給付金など各種支援策があり、それらを受けられている一面もあると回答しました。これらの制度の扶養照会は生活保護の要件とは異なる制度の位置づけであるとも回答ています。
「扶養照会が義務ではない」とした田村憲久厚生労働大臣の国会答弁同様、道保健福祉部も扶養照会が義務ではないとの認識を示しました。真下議員は「くらしが窮迫しているからこそ窓口に相談にくる。親族や家族に知られることを嫌がり、生活保護申請をためらう現状を改める必要がある」と追及をしました。
三瓶徹保健福祉部長は、扶養義務者の扶養は「保護に優先して行われるが、窮迫した事由がある場合に、必要な保護を行うことを妨げるものではない」と回答し、生活保護申請において、扶養照会のいかんにかかわらず、必要な保護を実施していく姿勢を示しました。
共産党小池晃議員は、2021年1月28日(木)の 参議院予算委員会で、生活保護を必要とする人が申請をためらう原因になっている扶養照会について「扶養照会は義務ではない」という田村憲久厚生労働大臣の答弁を初めて引き出しています。
扶養照会 : 自治体が生活保護の申請をした人に親族の経済的な状況などを確認し、援助を受けられる可能性があると判断した場合に親族に問い合わせをします。民法で定める扶養義務に基づいた生活保護制度上の実務のことです。生活保護を申請をした人の親族に援助が可能かどうかを問い合わせる「扶養照会」について、厚生労働省は10年程度親族と連絡をとっていない場合は、照会をしなくてもよいとするなど運用を見直しました。
これまでは、親族からDVや虐待を受けていたり、親族と20年にわたって連絡をとっていなかったりする場合などには、扶養照会をしなくてもよいとされていましたが、コロナ禍の影響で、生活基盤が揺らぐ中「家族に知られたくない」と、扶養照会を理由に生活保護の申請をためらう人が相次いでいて、厚生労働省はこれまでの運用を見直し全国の自治体に通知しました。
2021.3.24 しんぶん赤旗