鈴木知事が期待をしている北海道における次世代半導体製造、民間大企業だけで資金調達できず税金をつぎ込もうとする国家プロジェクトです。
真下道議が新会社「ラピダス」に関する質問を、2023年7月13日の道議会の知事総括で行いました。
2023年4月25日に西村経済産業相は閣議後記者会見で、新会社「ラピダス」に2600億円を追加支援すると発表、千歳市に建設予定の工場の試作ラインなどの投資にあてられるものです。
経産省は開発費として既に700億円の拠出を決めており、半導体開発、計3300億円の国費を投じるなど、ラピダスの資金は多くを税金に頼っています。補助金3300億円の受け取りを確保してはいますが、その他の資金調達についても、2027年までに約7兆円が必要だとラピダスの東哲郎会長は発言しており、国内主要企業で73億円の出資にとどまっているため、国の支援を中心に考えないといけないと発言もしています。
ラピダスがすべての資金を自社で、自前で資金を調達したり、出資している8社から、それぞれ投資してもらったり、市場から資金を集め事業を軌道に乗せてゆくなら、問題はありません。半導体2nmの量産の価値は北海道の経済にも、経済効果が非常に高いと考えられますが、国家プロジェクトとして多くの税金が投入され、道も格段の配慮をし、千歳市に次世代半導体工場を建設するラピダスの支援など半導体産業集積に1億2千万円を2023年度北海道の補正予算※に計上、また半導体事業はゼロカーボンに貢献するといって基金(地球温暖化対策促進条例に基づく新しい基金:通称ゼロカーボン北海道推進基金)を使う予定でいます。
(※補正予算に計上:1億2千万円のうち1億751万円は基金から拠出)
基金は企業局の電気事業から70億円、財政調整基金から一度一般会計に繰り入れて25億円を積み増し、企業からの寄付が5億円、計100億円規模となります。しかし、今年度の執行予定は19億円です。なぜ基金を100億円規模にしなければならないのか明確な説明がありません。
このことは、道民(納税者)への理解と説明も欠かすことはできないはずです。
北海道の経済状況を考えると、無駄なところに貴重な税金は、使えません。どうしても「2nmを量産」したいのなら、リスクを自社で負って事業を進めるべきです。鈴木知事は、基金を使う理由を、議会では真下道議の質問に対し合理的に説明できませんでした。
※ラピダスは2022年に、トヨタ自動車、NTT、ソニーグループなど8社が計73億円を出資して設立しています。
2023.8.4 しんぶん赤旗