最低賃金拡がる地域間格差 是正に独自支援を
7月5日(木)道議会経済委員会
道議会経済委員会で、真下紀子道議会議員は、地域別・ランク別に定められた最低賃金制度では地域間格差が拡大するばかりです。現行制度の矛盾を明らかにし、最低生計費を満たす基準への引き上げと中小企業への独自支援を求めました。
真下紀子道議は、6月15日に北海道労働局に申し入れたことを紹介しながら、地域間格差拡大の推移と拡大の原因について質問しました。
道の答弁によると、北海道の最低賃金は2008年度から2017年度の10年間で667円から810円となり、全国平均の94.9%から95.5%とほぼ横ばいで、東京都との比較では87.1%から84.6%へ差が広がっています。
また、国が示した2014年最低賃金近傍の労働者数によると、地域別最低賃金の1.15倍未満で働く北海道の労働者数は27万6737人と集計されていることも明らかにしました。
道内の消費者物価指数は17カ月連続で前年を上回り、昨年からは全国指数を上回るなど上昇する中、「最低生計費を満たす水準か」とただしたのに対し、中央最低審議会の目安額を参考に、全国平均1000円をめざすとした2010年の最低賃金引き上げに関する政労使合意の目標に配慮して決定されたと説明しました。
真下道議は、これまで年15円の引き上げにとどまっており、政労使合意から1000円まで20年もかかると批判。最低賃金で働く派遣社員に交通費を支払わず、実態として最低賃金を割り込む例もを示し、抜け道を許さないよう求めました。
また、最低賃金引き上げは中小企業への影響が大きいため、山形県が国の助成金に上乗せして事業者負担を半減させる奨励金を始めたと紹介し、中小企業への道独自の支援策も求めました。
経済部長は国へ助成制度の拡充を求めるとともに、相談対応や経営指導、道の制度融資などにより、賃金支払い能力を高めることができるようとりくむと答えるにとどまりました。