全国一律で最低賃金を1,500円をめざす
安倍政権は「最低賃金1000円」を目指すとしていますが、経済成長に配慮した「年率3%程度をめど」という引き上げの目標です。しかも「1000円」とは、「平均」(全国加重平均(人口を加味した平均)のことです。各地域の現在の最低賃金が毎年3%ずつ上がるのは順調にいっても、2023年です。しかも、1000円以上になるのは埼玉、東京、千葉、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫の8都府県だけです。日本共産党は、中小企業への直接支援とセットで、最低賃金をいますぐどこでも1000円にして、1500円をめざすと政策に掲げています。
現在、地域別最低賃金は、北海道810円ですが、これでは生計費をまかなうことはできません。最低賃金は上がっても、増額されていく社会保障費負担や消費税で、家計はマイナスになってしまいます。さらに地域の経済状況が考慮される今の制度では格差は広がるばかりです。全国一律で最低賃金を1,000円以上に急いで引き上げること1,500円をめざすことは安心して暮らせるために不可欠の政策です。
最低賃金引き上げが行なわれれば、消費効果も大きく期待できます。2018年6月20日(水)に真下紀子道議は、北海道労働局に最低賃金の大幅な引き上げと全国一律 にすることを求めました。
労働運動総合研究所(労働総研)は、最低賃金引き上げが日本経済・地域経済にもたらす波及効果試算を発表し、時給1000円に引き上げた場合、最終の消費需 要が2兆4800億円増加するとしました。
消費需要の増加により、国内生産(生産誘発額)が4兆5900億円拡大し、これにより、国内総生産(GDP、付加価値誘発額)が2兆600億円増 加するとしています。また、24万9700人分の雇用が増加。国の税収が2264億円、地方の税収が1499億円、国・地方あわせて3763億円の税収増 になるとしています。時給1500円の引き上げでは、最終の消費需要が16兆2200億円、国内総生産が30兆600億円、それぞれ増加するとしていま す。これにとも ない、国内総生産が13兆5200億円拡大。雇用が163万6100人増加し、税収が国で1兆4831億円、地方で9867億円、あわせて2兆4698億 円の増収になるとしています。
中小企業への直接支援とセットで、最低賃金の引き上げを、いますぐ上げてゆくことこそが国民が求める成長戦略でしょう。