2022年3月道議会 真下道議の一般質問
気候危機対策
高いCO2削減目標に見直しを
気候危機は、生命に直結する食料や水の確保に回復不可能な影響を及ぼす喫緊の課題です。長野県は60%削減の野心的目標を掲げる一方、道のCO2削減目標は、2030年に2013年度比48%ととどまり国際的基準の2011年比でみると国と同じ42%にしかなりません。
削減量では、新エネで658万㌧、省エネで1,596万㌧、森林等で1,142万㌧の吸収量を見込んでいると答えました。
真下道議は「ICPP (気候変動に関する政府間パネル)が掲げた地球の上昇温度を1.5℃に抑制するための貢献が必要。2050年ゼロカーボン実現のため先進国としての深堀りと北海道の賦存量の多さを加味した高い目標設定へ見直しを」と求めました。
また、市町村が策定している地球温暖化対策の実行計画は、全国平均より少ない道内21市町村での策定にとどまっています。真下道議は「光熱費の削減と設備投資、省エネ・再エネによる経済効果と雇用創出等の経済効果を市町村が実感しながら策定していくとりくみが必要」と提案。道は、勉強会や人材派遣など様々な手法で策定を支援すると答えました。
道負担額は累計1662億円
完成までの道負担見込みはさらに約2100億円
札幌延伸まで大赤字の見通しとなっている北海道新幹線は、総事業費1兆6700億円の巨大公共事業です。事業費はすでに2020年度まで約5300億円にのぼり、これまでの道負担額は累計1662億円、完成までの道負担見込みはさらに約2100億円だと真下道議の一般質問で明らかになりました。厳しい道財政をいっそう圧迫する大きな要因です。
また、予算特別委員会の宮川潤道議の質問で、札樽トンネルや約130万立方メートルと見込まれる札幌工区からの発生土の処理方法によって、道は「相当のコストアップにつながる」と答え、計画にない多額の費用がかかることが明らかになりました。
コロナ禍でJR北海道の利用者が激減し莫大な赤字が累積する中、JR北海道は地方路線や在来線の廃線という犠牲を道民に押し付けています。一方で新幹線と関連開発事業に莫大な税金をつぎ込み続けることは交通事業者としての責任を放棄していると言わざるを得ません。
聞こえのバリアフリーの必要性
WHOの算定値では難聴者は人口の5%、本道では約26万人と推計されます。日本共産党の真下紀子道議は、3月議会一般質問で先行事例を示し、「高齢化が進む中、聞こえのバリアフリーは不可欠。補聴器の早期使用は日常生活の質の向上に有効」と高齢者の補聴器購入補助を求めました。
国の助成は重症者限定、加齢性難聴には自治体の助成が拡がっています。鈴木直道知事は「補聴器の早期使用は日常生活の質の向上に有効。補聴手段の確保は重要」と答える一方、国や他自治体の状況把握に努めると答えるだけで、助成実施に踏み出そうとはしませんでした。
痴漢・盗撮被害撲滅を
「被害にあっても声を上げにくい痴漢、気づきにくい盗撮は極めて卑劣な犯罪です」と、真下紀子道議が3月議会で痴漢問題を質問しました。「広く実態を把握し強い決意をもって撲滅するよう」求めました。
扇澤昭宏警察本部長は「痴漢・盗撮は極めて悪質かつ卑劣な犯罪行為。今後道外の実態や取組等も踏まえ、防犯メールや不審な行為の通報を呼びかけるポスター掲示など被害防止を推進する」と明言しました。
鈴木直道知事は「JR北海道やバス協会と情報を共有など、社会全体で痴漢・盗撮は許さないという意識醸成をはかる」と答えました。
道議会で痴漢問題がとりあげられるのは初めてです。