日本共産党道議団は10月19日、北海道教育委員会に対して、「校内におけるクリアファイルの配付等に関する調査をただちに中止すること」を求め、菊地葉子幹事長、宮川潤議員、佐野弘美議員が申し入れを行いました。
道教委は、9月29日の道議会予算特別委員会で、自民党・道民会議の議員が「アベ政治を許さない」と印刷されたクリアファイルが、「道内の学校で教師の机の上に置いてあった」「全ての学校において調査するべき」「厳正に対処すべき」と質問しました。
道教委は10月14日付で各学校長に調査の通知を発出。調査票(道立学校・職員用)を配りました。配布内容は下記のような内容です。
1.校内で職員が配布しているのを見たことがある場合、「いつ、どこで、誰が、誰に配布していましたか」
2.校内で「置かれている」「放置されている」「職員が使用している」のを見たことがある場合、「いつ、どこで、どのような状態にありましたか」「いつ、どこで、誰が、どのように使っていましたか」
を回答するよう求めるものになっています。
思想・信条の自由脅かす
菊地議員は、「密告を奨励するもので教職員間の分断を持ち込むもの」と指摘。宮川議員は、「5校で机の上に置かれた状態であったことが分かっている。調査をする必要があるのか。圧力をかけられたと感じる調査をなぜする必要があるのか」と質しました。佐野議員は「政治的中立性をいいながら、思想・信条の自由を脅かしている」とのべ、調査の中止を求めました。
道教育委員会の総務政策局長は、「5校以外にも同じ状況があるかもしれない、事実を把握するために調査する」と繰り返すのみで、何のための調査か、回答はありません。
この問題で道高教組は10月15日、調査は「教職員を萎縮させる」「クリアファイルは組合員に送付したもの」「組合活動への介入」「校長・教職員相互の信頼関係を破壊させかねない」と、「通知発出に断固抗議し、調査の中止・撤回を求める」との声明を出しています。