水道事業の道の方向性は 2018年12月7日第4定例道議会予算特別委員会
2018年12月7日(金)第4回定例道議会予算特別委員会で、真下紀子議員が水道事業におけるコンセッション方式の課題について質問しました。
清浄で豊富低廉な水を供給すること求められている水道事業は、人の生命維持や日常生活に欠かすことのできない重要なものです。「改正水道法」が強行採決された翌日の12月7日(金)に道議会予算特別委員会で真下紀子議員がコンセッション方式による課題について質問をしました。
※2018年12月6日「改正水道法」が衆院本会議で可決され成立しました。水道事業の経営基盤を強化をうたい「改正水道法」が国会で可決し成立したものです。同法が成立で、水道事業の民営化が可能となり、民間のノウハウを生かした経営効率化されると言われていますが、水の安全に関わる情報開示への制約や、料金の高騰など、懸念されるものが残されています。
北海道内上水道事業者及び簡易水道事業者(204事業者)の、2016年度の決算では、経常黒字の事業者は約8割の168事業あります。また2割にあたる28事業者は一般会計からの補てんにより黒字となっています。
「改正水道法」は受水人口20万人以上の自治体をコンセッションの対象としていますが、広域化による受水人口の集約で、現在黒字事業者である道内事業者も対象となりうります。
道はこれまで、水道事業に関する地域別会議を28回開催してきました。水道事業の広域化を進めるものでしたが、意見交換の中では、会議に進展はみられず現状は進んでいません。真下議員は、「改正水道法」により国の基本方針に基いて、各都道府県が自治体の広域化の取りまとめ役を担わされると問題提起しました。
道は、厚労大臣の認可要件に沿った十分な監視・確認が必要と答えましたが、真下議員は、コンセッション方式による料金の高騰、水質悪化、財政運営の不透明化などの課題のほか、企業秘密を盾にした情報開示により議会や市民監視の機能が低下が危惧されると指摘しました。
適正な水源管理や、傘下の契約独占による地域の事業者の経営困難など、多くの問題があると述べ、海外資本への市場開放は許されないと主張しました。
道内では2016年の豪雨や胆振東部地震などの自然災害による断水被害が繰り返されていて、複数水源はいっそう重要性を増しています。道はリスク管理の観点から「複数水源は重要」とのべ、上水道93のうち64、簡易水道事業239のうち212で複数水源をもっていると答えています。
水道事業に係る地域別会議の状況(一部) 環境生活部 > 環境局環境政策課 HPより