2017年2月9日(木)厳寒の北海道上川農業試験場で
加温なしで冬季にハウスinハウス野菜栽培
近年原油価格の高騰や異常気象により、 冬場のは葉菜類の入荷量や価格が不安定となり、 冬場であっても道内産の葉菜類を求める声が強くなっています。2017年2月9日(木)、真下紀子道議は比布町にある北海道上川農業試験場を訪問。 厳寒の冬季に加温しないハウスで野菜を栽培する研究を道議団とと もに調査しました。上川農業試験場の田中英彦場長らから説明を受け、ハウス内も調査しました。
大型ハウスは二重のフィルムで覆われています。 小さな送風機でフィルムの間に24時間外気を送って膨らませてい ます。さらに小型のハウスて覆う場合もあり、まるでハウスinハ ウスです。
地域エネルギーによる野菜栽培を研究を続ける地子立( じしたつる)研究主任は、品種によって寒冷に対する強さが違うた め、気温、室温、 地下の温度を測定しながら野菜の育成を3年間にわたって観測。 昨年12月にはマイナス26.2℃となり、トンネル内の最低気温 は-2.8℃となり、多重フィルムの被覆によって20℃ 以上の保温効果が得られました。小 松菜は一度凍結したようになり ますが、室温が上がると青々とした状態に復活します。 結球レタスは凍結してしまいましたが、 小松菜は復活することがわかりました。 わさび菜やリーフレタスはすくすく育ち、 逆に凍れがはいることで食味もよくなっています。地子さんは「 結球レタスは腐れが入りましたが、 小松菜やわさび菜の復活には驚きました。 収量は少し下がりますが、 冬の価格を考えると暖房費がかからない分、 経営的にもいいと思います。 味もよく気温が下がると野菜の状態がどうなっているか、 今ではワクワクします」と話します。
通風にかかる電気代は月100円、 天気がいいとハウス内の気温も上がって生育が進みます。 フィルムは通常農家が使う資材を使用するため初期投資も少なくて すみます。 通年雇用が課題の農業法人でも関心が高いとのことです。ハウスの フィルム被覆を増やした場合の厳冬期の保温性と小松菜などの収量 性の調査について、「1棟ではじめましたが5凍まで増えて忙しく なりました」と話す地子主任の声が嬉しそうです。さらに研究精度を高め、 実用化をめざしたいと熱い研究が厳寒の上川で進められています。