北海道教育委員会いじめ重大事態への対応
「報告書受け、振り返り、検討する」
旭川市の中学生いじめ問題について、旭川市教委が設置した「いじめ防止等対策委員会」は2022年9月に最終報告書を出しました。
2021年6月の質問で、道教委の検証を求めた真下紀子道議は2022年10月4日、報告結果を踏まえて予算特別委員会で質問しました。報告書では、学校と旭川市教委は、法に基づくいじめの重大事態の認識を欠いていたと厳しく指摘されました。真下道議は、道教委も同様に重大事態と判断した指導をしていなかった追及し、具体的な検証を求めました。
報告書では「道教委の指導内容は、本件をいじめとして認知すべきことなどを指摘するものであったが、重大事態として対応すべきとはされていなかった。
道教委も、市教委からの報告で重大事態と評価すべき本件の事実関係の概要は把握していたのであるから、端的に重大事態として対応するように指導すべきであったと思われる」と注釈が記載されました。
真下道議は、①2019年6月、当該生徒の入水は自殺未遂であり、わいせつ行為を含めたいじめの疑い、②道教委のSOSダイヤル相談に母親から相談を受けいじめと判断、③転校後、相当期間欠席していたが、状況把握にとどめ、この3回いずれも重大事態にあたるもので、道教委はなぜ重大事態として判断し、市教委への指導にあたらなかったのかと追及しました。
道教委は、「生命、心身に重大な被害が生じた疑いがあるいじめ重大事態を想定して対応した」と言い訳の答弁を繰り返し、「重大事態を想定し」「重大ないじめとの考えのもと」の指導だったとしました。真下議員は、市教委に重大事態として指導していないと再質問を8回重ねて質問に対し、道教委は「指導した記録はない」と答えざるおえず指導事実を示すことができませんでした。
倉本博史教育長は、「当時、道教委と市教委との認識の共有が図られるよう、さらに取り組んでいく必要があった」「こうした記載内容も含め、本事案への自らの対応を振り返り、課題を整理した上で北海道いじめ問題審議会で意見等をうかがいながら、いじめ重大事態に関する対応について改めて検討していく」と答えました。
真下議員は、この生徒の死を無にしない検証と、心の一番の痛みとなった性被害への対応強化、道教委の緊急対策チームの運用が役割を発揮するよう求めています。