北海道は高い目標へ見直しを
2022年3月11日第1回定例道議会本会議一般質問
気候危機は、喫緊の課題です。
ところが再生可能エネルギーの賦存量が全国有数の北海道は、CO2削減量を2030年までに2013年度比で48%削減に止めています。
知事は、国の46%より高いと主張しますが、国連が指標とする2011年比では、国と同じ42%です。長野県は、2030年60%削減の野心的目標を掲げたと紹介し、道のCO2削減目標の引き上げを求めました。
今井太志ゼロカーボン推進監は、目標の設定根拠を、省エネ・新エネ促進行動計画(改定案)による新エネ導入で、削減は658万㌧、8.9%、省エネで1,596万㌧、21.7%に加え、森林等による吸収量1,142万㌧、15.5%を見込んだと答弁しました。
真下道議は、「長野県に大きく水をあけられ、どこが攻めの視点なのか。本気で2050年にゼロカーボンを実現するなら、先進国としての深堀り、賦存量の多さを加味し、北海道の強みに応じた目標を設定し、脱炭素化への貢献を」と求めました。
地球温暖化対策の実行計画の策定が、道内では全国平均を下回る21市町村にとどまっています。真下道議は、光熱費の削減と設備投資、省エネ・再エネによる経済効果と雇用創出等の具体的数字を出して、市町村が経済効果を実感しながら策定していく取り組みが必要と提案しました。道の回答は、人員や知識不足等の原因があり、勉強会や人材派遣など様々な手法で策定を支援するにとどまりました。
また、CO2排出量の見える化アプリについて、年度内に数千人の活用、年末頃の運用開始を見込みで、ポイントや情報発信機能の付与を検討しているとの回答がありました。
真下道議は、さらに生態系が回復不可能など失われ、食料や水の確保にも影響を及ぼす気候危機問題であり、ICPPが掲げた1.5℃に抑制するために、北海道がどれほど貢献するのかを考える必要があるとも指摘しました。
CO2削減量
吸収量目標値 |
削減比率 | |
新エネ | 658万㌧ | 8.9% |
省エネ | 1,596万㌧ | 21.7% |
森林等による吸収量 | 1,142万㌧ | 15.5% |
(森林、農地・街路樹等) | (850万㌧、292万㌧) | |
他 | ||
合 計 | 3,581万㌧ | 48.0% |