Smart道庁
オープンデータ化に警鐘個人情報の民間開放につながりかねない
2021年12月議会予算特別委員会での質問
道は、Smart道庁※1と銘打って、2019年にスマート道庁推進本部※2を設置した道は、勤務環境改善と職員の働き方改革をすすめ、人事給与、財務会計、文書管理、電子メールなどの情報システムの最適化をはかり、組織活力の向上を目指すとしています。
しかし、道は、定型的なデータ処理などにRPA※3を導入し、自動化・効率化されて生み出された時間を、道民ニーズ対応や政策立案業務に集中させると答えるだけで、何をするのか明確ではありません。
真下議員は、Smart道庁と冠しても、デジタル化による業務改革、スリム化に過ぎず、住民福祉や地方自治に資する賢い行政判断や決断が見えないと指摘しました。
※1 Smart道庁のすすめ方(今こそ道庁はかわります)として3つの改革をかかげている。◯業務改革:仕事の仕方を変える ◯働き方改革:勤務環境を変える ◯組織風土改革:庁内の常識や固定概念をかえる
※2スマート道庁推進本部設置要綱が令和元年6月6日から施行されている。下記に要綱の一部を掲載
(趣旨)第1 道政上の諸課題への的確な対応や持続的な道民サービスの提供と質的向上を図るため、Smart 道庁推進本部(以下「本部」という。)を設置する。
(所掌事項) 第2 本部の所掌事項は、次のとおりとする。
(1)業務改革に関すること。
(2)職員の働き方改革に関すること。
(3)内部統制に関すること(評価に関すること除く)。
(4)(1)~(3)までに掲げる事項に係るICTの利活用に関すること。
(組織) 第3 本部は、本部長、副本部長及び本部員をもって組織する。
2 本部長は、総務部行政局改革推進課の事務を担当する副知事をもって充てる。
3 副本部長は、総務部長をもって充てる。
4 本部員は、知事の事務部局の部長、会計管理者、総務部職員監、総合政策部次世代社
会戦略監、総合振興局長、振興局長及び東京事務所長をもって充てる。
(本部長及び副本部長)第4 本部長は、本部を代表し、部務を総理する。
2 副本部長は、本部長を補佐し、本部長に事故があるときは、その職務を代理する。
※3 RPAとは、決められたルールに沿って、正確に処理を行うロボットを活用して効率化を行なっていきます。単純作業を自動化効率化するものです。導入の企業では、ほとんどがこの方式RPAの導入となっており定型作業や単純作業を自動化しています。気おつけなければならないのは、RPAは事前に決められたルール通りにしかできないため、イレギュラーケースまで考え、ロボットを作り込む必要があるといわれておりそのためには、次の段階が必要となると言われ、EPAなどで強化する必要があるといわれています。EPAで実装するロボットが与えられたデータを分析しながら、データの分類や傾向結果を出すことを目的へと進化していきます。
RPAが導入事例が増えてきた背景の一つに「働き方改革」があります。働き方改革は、生産労働人口が減少の社会において労働生産性を向上させ労働時間の効率化など、働く人の負担を軽減することが目的となって進められています。
真下道議は、人事評価や人員削減への影響が懸念されることを指摘しました。これまで公用スマホがなかった職員にテレワークのためにとひとり1台配布しますが、懸念の声がある人事評価や人員削減への影響をただしましています。道は、「職員個々の行動記録を把握することを目的にしていない。職場環境の改善で人材を確保したい」と答弁がありました。
個人情報は匿名加工されてもビックデータと組み合わせれば個人情報に限りなく近づくと言われています。
行政のデジタル化では、行政の個人情報の扱いが懸念されます。真下議員は、個人情報を匿名加工して公表するオープンデータ化の扱いについてSmart道庁を冠にした所管の総務部、総合政策部の双方に質問しました。
総務部は、「オープンデータ化はSmart道庁の工程は入っていない」と総務部が明言する一方で、総合政策部デジタルトランスフォーメーション推進課は、「オープンデータ化を進める」と答えています。
行政が特定の目的で集めた詳細で正確な個人情報を民間の利益に供することにつながりかねません。
Smart道庁は道全体のとりくみにも関わらず、その扱いに部署ごとに齟齬が生じている問題が明らかになりました。
また、真下議員は、道のメール送信に使われているPPAP方式について、「セキュリティも脆弱と指摘されており、すでに国も民間も撤退し始めている」とのべ、見直しを求めました。
2022.1.29 しんぶん赤旗
下記 道HPより抜粋
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