2021年11月4日(木)北海道議会 保健福祉委員会 真下道議の質問
【江差高等看護学院のハラスメント問題】
三瓶徹保健福祉部長「過去の事案も含め確認し必要な対応をする」
道は、江差高等看護学院のハラスメントに関する第三者調査委員会から、のべ11人の教員による52件のパワハラを事実認定した等の調査結果を受け、内容を2021年11月4日の道議会保健福祉委員会に報告しました。
報告書では、教員から学生に対して、「殴るけるの暴行するよ」「ぶっ刺したくなる」などの日常的な暴言、執拗に反省を求めるだけでなく、反省文を学生と教員に回覧するなどのハラスメントが、長期にわたって継続していたことが認定されました。
真下議員は、調査は厳正な基準に基づくと評価し、「学生を侮辱し、屈辱を与え、人格を貶めていうことを聞かせる、教育とは全く無縁の許しがたい行為」「何人もの教員が多くの学生の人生に深い痕跡を残したにもかかわらず、教員の多くが記憶にない、忘れたとの回答が多かったことこそ問われるべき」と具体的な報告内容を示し、厳しく批判しました。道は「重く受け止める」と繰り返し、道自身がハラスメントを認めると明言しなかったため、真下議員は、「道がハラスメント、人権侵害を認め、本庁の責任の検証と反省をしなければ信頼回復はできない」と再三にわたって追求し、道は、「現時点で教員が事実を認めている事案もあり、そうした事案についてハラスメントとして認定している」と初めてハラスメントだと認めました。
また、道は、3月の時点で行った聞き取り調査を管理職対応としていなかったことを、真下議員が質問で明らかにしました。ハラスメントが最多で江差・紋別両高看の副学院長に対しては、元部下で係長級職員一人に聞き取りをさせ、記録も作成せずに放置していた事実を追及。解決能力を発揮しえなかった道の具体的問題点を指摘すると、道は認めざるを得ませんでした。
真下議員は、学院長と副学院長の責任、教務間のハラスメント構造の解明と対策等について質問したうえで、学生の救済策について言及。「今回認定されなかった学生にも負の影響があり、すべての学生に救済策をとること」「学生の自治力を育て、人間としての成長と看護職の専門性を育てる観点を持って看護学院の再生を図るとともに、道自身の継続的検証と再生が必要」と求めました。
三瓶徹保健福祉部長は、「調査結果でも、学生・保護者への説明会でも、道本庁の責任は重大と指摘を受け、過去の事案も含め確認し必要な対応をする」「第三者委員会や有識者からの提言・意見を踏まえ、学院長の選任配置、実効ある相談体制整備、学院運営アドバイザーの調査委員への委嘱、看護対策小委員会での不断の見直し等に努め、安心して学べる場となるようしっかり取り組む」と答えました。今後、注視していかなくてはなりません。
しんぶん赤旗 2021.11.10