「ジェンダー問題は~自分らしく生きるための基本的権利」
道議団主催 オンライン・ジェンダー平等勉強会 2021.05.15
日本共産党道議団は、5月15日、ジェンダー平等勉強会をオンラインで開催しました。「結婚の自由をすべての人に」北海道訴訟原告代理人の加藤丈晴弁護士を講師に招き、「イチから知りたいジェンダー平等」を学び合いました。
いないことにされる日本社会主に性的マイノリティの当事者が置かれている現状について話した加藤氏は、電通ダイバーシティ・ラボの2018年の調査によると、LGBTは全体の8.9%が該当していて、その割合は左利きの人や血液型ABの割合と同じと紹介。世界中どこにでも一定の割合が存在して当たり前なのに、日本ではまるでいないことにされていると問題提起。
加藤氏は、この背景に、日本社会の「LGBTに対する無知や偏見」「『男らしさ』『女らしさ』という性別規範」「社会の強い同調圧力」があるとのべ、裁判事例などを通じて差別やハラスメント、いじめや自殺など、職場や学校で様々な困難を抱えることになっている問題をあげました。
パートナーシップ制度が社会の認識変えたまた加藤氏は、当事者や支援者の長年のたたかいによって、パートナーシップ制度が全国103自治体、人口カバー率では37.1%にまで広がってきていること、それによって社会の認識に変化をもたらしていることを強調し、新しい取り組みとして、同性パートナーとその子どもたちまで含めて家族と証明する兵庫県明石市の「パートナーシップ・ファミリーシップ制度」を紹介しました。
一方、パートナーシップ制度では法に基く諸権利などに限界があるとも訴え、「パートナーシップ制度から同性婚へ」と運動の発展を展望し、「ジェンダーやセクシュアリティの問題は、私たち一人ひとりの問題です。自分が自分らしく生きるための基本的な権利の問題」と力を込めて訴え、「そういうテーマとして向き合っていくことが大切です」と呼びかけました。
女性が声を上げられる環境づくりを加藤氏の講演後、真下紀子道議が道庁の女性職員の幹部登用や道内民間企業の役員などが少ない実態を議会で明らかにしたと報告。また行政や外郭団体が関与する「ミスコンテスト」について議会論戦を報告。女性登用について、長年に渡ってくり返し質問することによって、女性職員の登用目標が北海道行動計画に設定され、女性も男性も働きやすい環境をどうつくるかの議論が始まっているなどの変化をユーモアを交えて紹介。「女性が声を上げられる環境を一緒につくっていきたい」と語りました。
視聴者から多くの質問が寄せられました。パートナーシップ制度のメリットを聞かれた加藤氏は、「多くの当事者が自分の故郷にいられなくて都会に移り住んでいる。たとえ小さな町村だとしても、それぞれの町にパートナーシップ制度ができることで、当事者にとって帰ることのできる故郷になる」と答えました。