2020年12月10日 道議会環境生活委員会
医療関係者からの声 コロナハラスメントの対策を
道内の新型コロナ感染症の陽性者が1万人を超え、濃厚接触者を含めPCR検査の対象者も増加しています。収束が見通せない中、見えないコロナウイルスに対する不安や長引く自粛のストレスなどから、感染を理由としたハラスメント、いわゆる「コロハラ」の問題が深刻になっています。
医療関係者からコロナハラスメントとは毅然とたたかってほしいという声が寄せられ、真下紀子議員は、2020年12月10日の道議会環境生活委員会で、医療現場の声を紹介しながら、コロナハラスメント対策について質問しました。
コロナ感染陽性者を受け入れている医療現場で働く職員は、自身の感染への不安と恐怖、自らが媒介者となって家族など身近な人々に感染させるのではないかなどという気持ちと、現場を支える専門職としての責任と使命感とのはざまで苦しみながら最善を尽くして業務にあたっています。同時に、日常生活でも厳しい行動規制し、家族への感染を避けるため部屋を分けて生活した例も、帰宅できずホテルに宿泊している例もあります。
道からは、「いわれのない差別や偏見を受ける事実が生じている。あってはならないことであり、10月の人権相談窓口を設置し、「職場でのコロナウイルスに対する過剰な反応」「医療従事者であることを理由に子どもの預かりを拒否された」「ネット上の感染者を特定できる書き込みなど規制できないか」などの情報が寄せられていると答弁がありました。
法務局や労働局、札幌市、保健所、教育庁などの関係部局と連携を図るため、10月末に「人権相談等連絡会議」を開催、不当な行為を受けた方々の気持ちに寄り添った取り組みをすすめると答弁しました。
真下議員は、職場がコロナ陽性者を受け入れているとわかると、差別や心ない言動が続いていては、命を守る医療現場のモチベーションが下がり、人間関係に不信が広がり、回復者の社会復帰にも支障をきたしかねないと指摘。「医療従事者は行動制限しているのに、世の中がGOTOトラベルで浮かれて腹立たしい」という声も紹介。PCRの被検者や関係者が急増する段階に応じた効果的対応をさらに進めるよう求めました。
築地原康志環境生活部長は「感染者や家族に対する差別や偏見、心ない行為は決して許されない。互いに思いやる気持ちがはぐくまれるよう啓発に努める」と答えました。
2020.12.22 しんぶん赤旗