歴史に基くアイヌ施策の方針を
2019年8月6日(火) 【環境生活委員会】
5月24日 アイヌ施策推進法が施行されました。「先住民族の権利に関する国際連合宣言の趣旨を踏まえ、近代化の過程で多くのアイヌの人々が苦難を受けたという歴史的 事実を厳粛に受け止め、アイヌの人々の自主性を尊重し、その意向が十分反映されるよう努めること」が附帯決議としてつけられていますが、道が示した方針に は、こうした観点がほとんど示されていません。
真 下議員は、2019年8月6日の環境生活委員会で、アイヌ民族抑圧の歴史に関する道としての認識と、道の方針への反映を求め、進学率が低いことと、生業を 奪われたこ とによる生活困窮に対して、給付型奨学金の創設、エカシ・フチへの手当創設を交付金で実施こと、また、慰霊施設が白老町に設置されますが、各地域に住まい していたアイヌ民族と十分に話し合い、遺骨集約を強制することなく、最大限の意向尊重を求めました。
国 の方針には、「国連人権関係諸機関による勧告や諸外国における先住民族政策の状況にも留意する」と明記されていますが、国立民族博物館「ウポポイ」という ハードが優先され、先住民族としての復権へのとりくみが後景に追いやられたり、ないがしろにされてはなりませんとのべた真下議員は、「道は抑圧された側か らの史実にしっかり向き合い、施策を進めなければならない」と主張し、アイヌ政策監の考えを質しました。
長橋聡アイヌ政策監は、「伝統的な生活や生産手段を失い、貧困にあえぎ、近年に至るまでいわれのない多くの差別を受けてきたという歴史的事実があった」とのべ、道民理解の促進とこれまでの政策に加え、地域・産業・観光振興など総合的政策を推進すると答えました。
真下議員は、先住民族アイヌに対する抑圧と差別、偏見の歴史に鑑み、国際人権規約に照らしても謝罪が必要と考えるとのべました。