2020年6月24日道議会一般質問 真下紀子議員
医療崩壊防ぐために地域医療の体制確立を
国が実施した抗体検査の結果では、東京でも0・1%の抗体保有率と抗体保有者が諸外国に比べても少なく、今後「第2波」、北海道で言えば「第3波」の再流行が懸念されており、地域医療の体制確立は急務となっています。
真下議員は、約7割の病院が赤字、コロナ対応をした病院では約8割の病院が赤字と答えていることを示して、「医療崩壊を起こさないために、国の交付金を活用して、陽性患者の受け入れにかかわらず、医療機関の支援をすべき」と質問。鈴木直道知事は、「財政支援を国に要請するとともに、緊急包括支援交付金を活用して、医療機関に対する支援策を検討していく」と答えました。
医療現場では、数億円規模の赤字が続き、夏の一時金の支払いにも苦慮している状況です。医療従事者を守り、医療機関を救うための喫緊の対策が求められると真下議員。「医療機関の苦悩や危機的状況の理解が、知事の答弁からは伝わってきません」「急ぐべきは医療機関への経営支援に真剣に取り組むこと」と知事の姿勢を指摘し、「知事が直接、医療従事者の実態を聞く機会を持ち、早急な財政支援を国に求めるべき」と迫りました。
雇用と営業を守る有効な支援を
雇用と営業の継続支援も求められています。真下議員の質問で、6月19日までの累計では、雇用調整の可能性がある事業所は3985、解雇や雇い止めが見込まれる労働者数は1332人と、5月29日の時点から、1539事業所、307人増加していることがわかり、道自身も「雇用情勢は更に厳しさを増すことが懸念され、予断を許さない状況」と認識を示しました。
真下議員は、「鈴木知事がいち早く緊急事態を宣言し、休業や外出自粛が日本で最長の期間となった」と道の責任に言及し、「休業補償の実施」「民間や公的分野における採用への支援金支給」「家賃支援給付金の道独自の要件緩和」などを求めました。
山岡庸邦経済部長は「国の第二次補正の活用を図りながら、事業継続に向けて切れ目のない支援に取り組む」と答えるものの、国への要請を求めるばかりで道としての対策は示しませんでした。
真下議員は、事業継続や雇用がかなわなかった場合、生活保護制度を柔軟に対応できるよう「生活保護の積極的な活用を」と求めました。
「コロナ禍」により道内の経済が疲弊し、道民の命や暮らしが脅かされる中、医療機関の支援、雇用と営業を守る対策強化を鈴木直道知事に迫りました。
2020.7.1 しんぶん赤旗