奥尻町の地元資源を使ったクリーンエネルギー

離島で電力時給めざす 北海道奥尻町の挑戦    2017年7月24日(月)
230人もの死者・行方不明者を出した「北海道南西沖地震・ 津波」から24年、未だに傷跡が生々しく残る道南・ 檜山管内の奥尻町で、全国の離島で2例目となる地熱発電所の建設 が進んでいます。「 奥尻の地元資源を使ったクリーンエネルギーの島として発信し、 地域活性化につなげたい」 と奮闘する地元企業を日本共産党道議団(真下紀子議員団長) が訪ねました。

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奥尻島西部は硫黄鉱山があった地域で、NEDO( 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構) が地熱発電の開発促進を目的に06年~07年にかけて坑井調査を 実施。 熱水温度が利用目的に達しなかったため開発を断念しましたが、 地域発展の利活用を目的に町が09~11年度にかけて継続調査を 実施しました。その時点では数社の発電事業者が検討しましたが、 進展が見られませんでした。

しんぶん赤旗記事2017. 8. 22

2017.8.21_okushiri_1
11年の東日本大震災を経て、12年にFIT( 固定価格買い取り制度)が開始され、JOGMEC( 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構) の新助成制度も制定される等の情勢変化を受け、 町はNEDOから坑井の譲渡を受けました。 地熱資源利用に向けたビジョンを検討し、町民約50人が集う勉強 会を2回開催するなど地熱開発への住民理解を促進しながら、 ビジョン策定に至った経過の説明を町から受けました。 新村卓実町長は、「人口が半減している中ぜひ成功させたい。 道の支援もお願いしたい」とのべています。
島内でガソリンスタンドを経営する越森石油電気商会の越森修平社 長が、町が所有する2本の井戸のうち1本から毎時50トンの熱水 を取水し、 沸点の低いフロン媒体を気化させてタービンを回すバイナリ― 発電にとりくむことになりました。163℃毎時50トンのお湯を 沸点30℃の代替フロンに熱交換して、その蒸気で発電、 自家消費の50キロワットを除く200キロワットアワー毎時の電 力を発電し、採算もとれる見通しです。

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同社は町と連携し、発電後の排熱を、 ナマコの温水養殖や果樹栽培等に二次利用を検討し、 雇用の創出も期待されます。
越森社長はバイナリ―発電設備を案内しながら、「 南西沖地震の時に貯蔵タンクが壊れ、 港に輸送船も着岸できなかった。 非常時の電力自給の必要性を痛感し、 奥尻で検討されてきた地熱発電を決断した」と、 議員団を前にのべました。「 化石燃料を扱う会社がクリーンエネルギーにとりくみ、 島の資源で電力を自給するエコアイランドとして発信したい」 と決意をのべ、「採算性と排熱の二次利用がこれから課題。 ぜひ成功させていきたい」と意欲をにじませました。
真下団長は、「化石燃料を扱う経済人が、 再生エネルギーで地域の電力自給にとりくんでいることに大きな意 義がある。温排水の二次利用の成功へも支援していきたい」 とのべています。
地熱発電所は、7月28日に完成。8月中の稼働を目指しています 。