下川自然を考える会が主催した自然観察会に同行し、サクラマスがサンル川に遡上し、産卵する様子やダム建設による影響回避のために行われている調査用魚道(完成時延長9q、ダム湖を迂回するバイパス式)での実験の様子を視察しました。三上博介事務局長が同行しました。
サンル川は手塩川水系の上流域、「ヤマベ湧く川」と言われるほど、親魚のサクラマス資源の宝庫です。民主党政権がダム見直しを公約し、サンルダムも見直し対象と発表されたため、これまでダム建設反対の運動を広げてきた道民にはサンルダムは「止められる」と希望が見えてきた中で自然観察会が行われました。参加者は昨年を大きく上回り、70人を超え、活気に満ちていました。
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09.09.20サンルダム魚道調査・視察
下川自然を考える会が主催し、サンル川を守る会などが協力しています。考える会の宮田修さんに案内されたサンル川の上流では、遡上したサクラマスが2匹、くるくると回っています。メスの産卵に放精しようとするオスのほかヤマベも自らの子孫を残すためにたくさん集まってきます。いたるところに産んだ後の産卵床が見えます。別の場所でも産卵のために集まるサクラマスが何匹もいます。それでも昨年の1/10というくらい少ない状態だと地元の人が話します。
8月10日から9月30日まで「魚道の機能性」サクラマス産卵遡上行動」を把握するため、目視・ビデオ観察、水温・濁度・流量、サクラマス遡上追跡調査を行う開発建設部サンルダム建設事務所。説明会では管理事務所長が「プライベートで休みを取って」説明をします。テレビ局の取材申し込みは拒否し、説明はわずか数分で終了してしまいました。
そのあと住民からの質問に答えました。「侵入防止フェンスに流木や葉などが詰まるのではないか。」「9qも上るとサクラマスの体力は消耗するのではないか」など質問は尽きません。
私は、高橋知事は「予算は増やさない。期間は延ばさない」という条件で建設許可したと紹介し、「魚道は2.4キロの美利河ダムで7億円。設計費を入れると20億円。528億円の予算で間に合うのか。サクラマスの生態から遡上・降下の確認には調査期間は最低3から4年が必要。どの程度の調査期間となるのか。」と質問しました。宮内所長は、「コスト削減で」と答えるにとどまり、調査期間も明確に答えることができません。ダム建設完成後に魚道調査の評価をするなどと言い換えて、ダムを促進しようとしています。
新政権のダムの見直しは中止ではありません。これからの運動によって中止できるかどうかが決まります。