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緑資源機構の解体による弊害と希少種に影響を与える環境破壊問題

雄・厚和線の現地視察 真下道議報告】 2008.10.21

日本共産党道議団(花岡ユリ子団長、真下紀子)は20・21日、進捗率が84%の滝雄・厚和線の現地視察を行いまし た。

真下紀子の現地視察報告書
 私は、20・21日、進捗率が84%の滝雄・厚和線の現地視察を行いまし た。

 20日、札幌を8時に出た花岡団長らと合流。 途中から合流した水産林務部と網走支庁職員に案内していただき、滝雄・厚和線 のうち、滝上・白滝区間23.4キロの区間の滝の上側から入り先端に向かいました 。

  林道に入るまでの道道は幅3メートル。 ところが途中から林道に入ると、幅7mの2車線道路。 本当に7m必要な林道なら、その先の3mの道道は通り抜けできず、役に立ちま せん。 起点からすぐに民有林があるものの、周囲は国有林で、施業計画は全くありませ ん。
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  トンネルに着くまでに通行する車両はなく、道路の真ん中と白線の上などに、熊 の糞が実に5か所もありました。 白滝側と同様に、のり面は50メートル以上。 幹線林道とは言っても、その先の支線の林道に分け入ることは全く不可能な状態 です。 立派な道路を走り、橋も渡って工事の先端につくと、260メートルのトンネルが完 成しています。 ヘルメットを着けて、いざトンネルを抜けると、その先は絶壁・・・下をのぞく のもこわい、深い沢です。



 今後、さらに橋を架け、迂回する道路をのばし、その向こうにの山に1500メート ルのトンネル建設が必要との説明です。 なんだか、開発道路白川・美唄線とそっくりです。 独立行政法人森林総合研究所農地整備センターが発注した、災害防止のためとい うトンネル内の舗装工事が行われていました。
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21日、朝8時に出発し、白滝・丸瀬布区間21.5キロ区間を丸瀬布側から入り、先 端に向かいました。 途中の道道の脇には、ナキウサギの生息地とみられるガレ場があり、調査のため 拡幅工事されずに、砂利道です。 がけ崩れの跡もあり、岩盤は崩れやすいようです。 「ナキウサギの写真入り」看板と「熊出没中」の看板を見ながら進むと、道路封 鎖用ゲートがあります。 遠軽町に移管された部分はゲートから国道までの6キロです。


 冬の除雪は国道から3キロ地点までの養鶏場までで、冬季は閉鎖され、通り抜けで きません。 遠軽町に移管された所から、標高840メートルのトンネル工事現場まではまるで観光道路です。
   林道、道道から国道39号線に向かう間にすれ違った車両は1台。キツネが1匹。 途中、工事が終了したはずの50メートル程も切り開かれたのり面が崩れ、同様に 災害防止工事が行われていました。 しかし、帰り際、のり面の最上部から崩れ落ちる岩の塊を目撃。 蓋をした側溝には、石の塊がゴロゴロ落ちていました。                          



 のり面の最上部は、人の手による鍬入れが基本とのことですが、重機で削ったた め、地面に茂る笹に支えられることなく岩盤が落ちているようです。 のり面には相変わらず外来植物の植生。 種の吹き付けをする機械もありました。 先端部のトンネルは、完成時830メートルの予定ですが、今は途中で掘削中止。 閉鎖されたままです。


 しかし、トンネル内は雨にように水が降っているとのこと。 その水が音をたてて側溝から流れています。 これまでは、トンネルの横に山の上から流れていた源流は水が枯れてしまい、水 環境をすっかり変えていました。 国・道有林は公益性を重視し、施業計画はありません。
 施業計画のないのに、林道がなぜ、必要なのか。全くわかりません。 高橋知事は、道民に30本の木を植えようとか言っていますが、この工事で一体ど れだけの木が切られたのか。 植物が削り取られ、動物のすみかにどれだけ影響があったのか。 莫大な税金を投じ、一体だれのための工事なのか。

 知事のいう地域振興の姿を見た思いです。 北海道森林づくり条例は「北海道にふさわしい豊かな生態系をはぐくむ森林を守 り、育て、将来の世代に引き継がなければならない」としています。 森林のための予算を食いつくし、北海道の豊かな自然を壊し、走り続ける大規模 林道。 進捗率84%にだまされず、この暴走を止めなければなりません。